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令和4年行政書士過去問解説 軍備縮小(軍縮)

【令和4年行政書士試験出題】

【問題】軍備縮小(軍縮)に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア コスタリカは軍隊を持たないことを憲法に明記し、フィリピンは非核政策を憲法に明記している。

イ 対人地雷禁止条約*では、対人地雷の使用や開発が全面的に禁止されている。

ウ 核拡散防止条約(NPT)では、すべての国の核兵器保有が禁止されているが、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国は批准していない。

エ 佐藤栄作は、生物・化学兵器禁止に尽力したことが評価され、2004年にノーベル平和賞を受賞した。

オ 中距離核戦力(INF)全廃条約は、アメリカとソ連との間に結ばれた条約で、2019年に失効した。

(注)* 対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約


1 ア・イ

2 ア・オ

3 イ・ウ

4 ウ・エ

5 エ・オ


【対人地雷禁止条約(オタワ条約)】↓

「対人地雷の使用,貯蔵,生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」)は,1997年12月のオタワ署名式において署名のため各国に開放され,1999年3月1日に発効。対人地雷禁止条約は,基本的に対人地雷の使用,貯蔵,生産,移譲等を全面的に禁止(第1条)。また,貯蔵地雷の4年以内の廃棄(第4条),埋設地雷の10年以内の除去等(第5条)を義務付ける。

【第1回】2004年11月 条約発効後初の検討会議がナイロビで開催。政治的コミットメントを示した「ハイレベル宣言」の3つの文書が採択。

【第2回】2009年 コロンビア(カルタヘナ)において第2回が開催され,「2009年カルタヘナ宣言」採択,67項目。

【第3回】2014年6月 モザンビーク(マプト)において,「マプト+15宣言」が採択。

【第4回】2019年11月 ノルウェー(オスロ)において, 「オスロ宣言」及び第3回検討会議以降の「履行状況報告書」の3つの成果文書採択。


【試験ポイント】✨

核拡散防止条約(NPT)・中距離核戦力(INF)全廃条約などは,平成26年度にも出題されており,他の一般知識よりも頻出度高として,ポイントを理解しましょう!

解答4

ア〇 原文のまま【1949年,ホセ・フィゲーレスによって軍隊が廃止】コスタリカは,常設の軍隊を放棄を宣言すると同時に,集団的安全保障条約であるリオ条約に加盟。

イ〇 原文のまま 対人地雷禁止条約は,基本的に対人地雷の使用,貯蔵,生産,移譲等を全面的に禁止(第1条)。また,貯蔵地雷の4年以内の廃棄(第4条),埋設地雷の10年以内の除去等(第5条)を義務付ける。

ウ✖ 非締約国はインド,パキスタン,イスラエル,南スーダン。

エ✖ 2004年が間違い。

「核を持たず,作らず,持ち込ませず」=非核三原則を宣言した佐藤栄作。NPT(核拡散防止条約)署名したことを理由に,ノーベル平和賞を受賞(1974年)。

オ〇 原文のまま 【1987年】,アメリカ(レーガン大統領)とソビエト連邦(ゴルバチョフ)の間に結ばれた軍縮条約。因みに,全廃に貢献した人が当時の日本の中曽根康弘首相です。


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