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公務員経験者試験過去問解説 栄典や表彰等

【2020年国家公務員経験者出題】

【問題】栄典や表彰等に関する記述として最も妥当なのはどれか。


1.2018年,将棋の羽生善治と囲碁の井山裕太氏が国民栄誉賞を受賞した。国民栄誉賞は,社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった者の栄誉を讃えることを目的として,佐藤栄作内閣が創設した。国民栄誉賞は,日本国籍を有する存命の個人を対象としており,近年はスポーツ選手の受賞が多く,文化・芸術分野での受賞は映画監督の黒澤明氏以来であった。また,井山氏の28歳での受賞は,2019年末現在における最年少記録である。

2.2019年,漫画家の秋本治氏が紫綬褒章を受章した。紫綬褒章は,科学技術,学術,スポーツ,芸術文化など幅広い分野を対象として,優れた業績を挙げた者に対して与えられる。通常,紫綬褒章の受章者は,その業績の顕著さに応じて,紅綬褒章,緑綬褒章などを既に受賞している者の中から,毎年1回,100人程度が選ばれており,秋本氏は漫画家としては史上初の受章であった。

3.2019年,化学者の吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞した。ノーベル賞は,物理学賞,化学賞,生理学・医学賞,文学賞,平和賞の5部門について,これらの分野で人類に最も大きな貢献をした者又は団体を讃えるために創設され,後に経済学賞が加わり6部門となった。2001以降の日本人のノーベル賞受賞者数は,自然科学分野では世界で5指に入るが,表彰の対象となった研究成果のほとんどが2000年以前に発表されたものである。

4.2018年,ノーベル文学賞は,授賞が延期となった。これは,全世界で「#Metoo」運動により著作権への意識が高まる中で,受賞候補作品が別の作家の小説を参考にしており,盗作を疑われる不祥事が発覚したためである。2019年には,外部選考委員を加えた上で,2018年分と併せて2年分の受賞者が発表され,2019年分の受賞者にはカズオ=イシグロ氏が選ばれた。

5.2019年,狂言師の野村萬氏が文化勲章を受章した。文化勲章は,文化の発達に関し特に顕著な功績のある者に与えられ,年金が終身支給される。文化勲章の受章者のうち,70歳以上の特に功績が顕著な者は,文化功労者に選出される。また,いわゆる人間国宝は,文化功労者のうち,能楽などの芸術に秀でた者のことをいう。


【試験ポイント】✨

1✖ 詳しい解説は,こちら
2✖ 詳しい解説は,こちら【紫綬褒章(しじゅほうしょう)】と読む。年1回ではなく,年2回(春4月,秋11月),史上初も間違い。また,既に褒章を授与された方に更に同種の褒章を授与する場合は,飾版(しょくはん)です。
3〇【アルフレッド・ベルンハルド・ノーベル】(スウェーデン出身)ダイナマイトの発明者であるノーベルの遺言によって,始まった賞。ノーベル賞は,物理学賞,化学賞,生理学・医学賞,文学賞,平和賞の5部門,後に経済学賞が加わり6部門となった。
4✖ 2017年にノーベル文学賞を受賞(カズオ=イシグロ氏)
5✖ 年金が有るのが文化功労者。詳しい解説は,こちら