2020年度,経験者採用試験(国税調査官級)出題,国際捕鯨委員会(IWC)
第十七条(鯨類の持続的な利用の確保に係る国際協力の推進等)
政府は、鯨類科学調査により得られた科学的知見及び我が国における鯨類の持続的な利用の確保に関する情報の関係する国際機関への提供その他の鯨類の持続的な利用の確保に係る国際協力の推進に努めるとともに、当該科学的知見の国内外における普及及び活用並びに鯨類科学調査の意義に関する国内外における理解の増進のために必要な措置を講ずるものとする。
2 政府は、鯨類に係る伝統的な食文化その他の文化及び食習慣の継承並びに鯨類の利用に関する多様性の確保に関する国内外の理解と関心を深めるため、鯨類に関する文化及び食習慣並びに鯨類の利用についての広報活動の充実、学校給食等における鯨類の利用の促進その他の必要な措置を講ずるものとする。
3 政府は、捕鯨を取り巻く国際環境の改善を図るため、関係国との連携及び関係国への働きかけの強化その他必要な外交上の措置を講ずるものとする。
IWCのポイントは以下のとおり
IWC=国際捕鯨委員会(International Whaling Commission)事務局はイギリスのケンブリッジ
【1951年】日本は加盟
【2019年6月30日】日本は脱退
「商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律(平成29年法律第76号) 」が昨年12月に改正され、法の名称が「鯨類の持続的な利用の確保に関する法律」と改められた。
解答〇
1 概要(1)商業捕鯨の再開を受け、「商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律(平成29年法律第76号) 」が昨年12月に改正され、法の名称が「鯨類の持続的な利用の確保に関する法律」と改められた。
(2)これに伴い、同法に基づく、「鯨類の持続的な利用の確保のための基本的な方針」(以下「基本方針」という。)を改正し、 閣議決定を行う。
2.基本方針の主な変更点
(1)題名 「鯨類科学調査を安定的かつ継続的に実施するための基本的な方針」を「鯨類の持続的な利用の確保のための基本的な方針」 に変更。
(2)施策の基本的な方向(新設)
新たに施策の基本的な方向の項を設け、鯨類資源を持続的に利用するとの我が国の基本姿勢、国際機関との連携、再開した捕鯨業の円滑な実施に関する事項を中心に記述。
(3)鯨類科学調査の意義
鯨類科学調査について、従来は、その正当性と商業捕鯨再開のために必要な科学的情報の収集を目的とする旨記述していたものを、鯨類の持続的利用を確保し、捕獲可能量の算出や管理方策の策定に利用するために科学的知見の蓄積を図るとの記述に変更。
(4)捕獲可能量の算出に関する基本的事項(新設)
捕獲可能量の算出については、鯨類科学調査によって収集した科学的根拠に基づき行うこと、政府は捕獲可能量の範囲内で捕獲枠を設定することを記述。
(5)捕鯨業の円滑な実施の支援に関する基本的事項(新設)
政府は予算の範囲内で、捕獲・解体・保管技術の開発等、 捕鯨業の円滑な実施のために必要な措置を講ずることを記述。
(6)国際協力の推進等に関する基本的事項(新設)
国際捕鯨取締条約(ICRW)からの脱退後も、関係国・関係機関への調査結果の提供等により国際協力の推進、国際的な連携の強化を図ることを追加。
(7)鯨類の適正な流通の確保等に関する基本的事項(新設)
政府は、法令の規定に違反して捕獲されたひげ鯨等の国内流通を防止するために DNA等の情報の適正な管理その他必要な措置を講ずることを追加。』