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平成29年度「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」その1

【平成29年度「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」その1】

(用語の定義)
第2条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号の定めるところによる。
一 宅地 建物の敷地に供せられる土地をいい,都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号の用途地域内のその他の土地で,道路,公園,河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むものとする。
二 宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買,交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。
三 宅地建物取引業者 第3条第1項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者をいう。
四 宅地建物取引士 第22条の2第1項の宅地建物取引士証の交付を受けた者をいう。


第2条第1号関係
建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地について
本号に規定する「宅地」すなわち「建物の敷地に供せられる土地」とは,現に建物の敷地に供せられている土地に限らず,広く建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地をいうものであり,その地目,現況の如何を問わないものとする。
第2条第2号関係
1 「宅地建物取引業」について
(1) 本号にいう「業として行なう」とは,宅地建物の取引を社会通念上事業の遂行とみることができる程度に行う状態を指すものであり,その判断は次の事項を参考に諸要因を勘案して総合的に行われるものとする。
(2) 判断基準
① 取引の対象者
広く一般の者を対象に取引を行おうとするものは事業性が高く,取引の当事者に特定の関係が認められるものは事業性が低い。
(注)特定の関係とは,親族間,隣接する土地所有者等の代替が容易でないものが該当する。
② 取引の目的
利益を目的とするものは事業性が高く,特定の資金需要の充足を目的とするものは事業性が低い。
(注)特定の資金需要の例としては,相続税の納税,住み替えに伴う既存住宅の処分等利益を得るために行うものではないものがある。
③ 取引対象物件の取得経緯
転売するために取得した物件の取引は事業性が高く,相続又は自ら使用するために取得した物件の取引は事業性が低い
(注)自ら使用するために取得した物件とは,個人の居住用の住宅,事業者の事業所,工場,社宅等の宅地建物が該当する。
④ 取引の態様
自ら購入者を募り一般消費者に直接販売しようとするものは事業性が高く,宅地建物取引業者に代理又は媒介を依頼して販売しようとするものは事業性が低い。
⑤ 取引の反復継続性
反復継続的に取引を行おうとするものは事業性が高く,1回限りの取引として行おうとするものは事業性が低い。(注)反復継続性は、現在の状況のみならず,過去の行為並びに将来の行為の予定及びその蓋然性も含めて判断するものとする。また,1回の販売行為として行われるものであっても,区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当する。
2 その他
(1) 組合方式による住宅の建築という名目で,組合員以外の者が,業として,住宅取得者となるべき組合員を募集し,当該組合員による宅地の購入及び住宅の建築に関して指導,助言等を行うことについては,組合員による宅地又は建物の取得が当該宅地又は建物の売買として行われ,かつ,当該売買について当該組合員以外の者が関与する場合には,通常当該宅地又は建物の売買又はその媒介に該当するものと認められ,宅地建物取引業法が適用されることとなる。なお,組合員の募集が宅地又は建物が不特定のまま行われる場合にあっても,宅地又は建物が特定された段階から宅地建物取引業法が適用されることとなる。
(2) 破産管財人は,破産財団の管理処分権を有し,裁判所の監督の下にその職務として財産の処分及び配分を行うものであり,破産財団の換価のために自らの名において任意売却により宅地又は建物の取引を反復継続的に行うことがあるが,当該行為は,破産法に基づく行為として裁判所の監督の下に行われるものであることにかんがみ,法第2条2号にいう「業として行なうもの」には該当せず,当該行為を行うに当たり法第3条第1項の免許を受けることを要さないものとする。ただし,当該売却に際しては,必要に応じて,宅地建物取引業者に代理又は媒介を依頼することにより,購入者の保護を図ることが望ましい。