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2011年6月「行政書士試験コメント」運送営業

受験生の皆さん,暑いですね~。頑張ってますか。私の場合,毎年真夏が近づいてくると必ず思い起こすのが,学生時代よく利用したエアコンの「バッチリ」効いた図書館です。皆さんも,たまには気分転換に「心地よい」と感じる場所を探してみてください。ところで,商法における「運送営業」って何条に記載されているか知ってますか。答えは,「商法569条~」です。そこで条文を確認しますと,
第569条
運送人トハ陸上又ハ湖川、港湾ニ於テ物品又ハ旅客ノ運送ヲ為スヲ業トスル者ヲ謂フ
要するに,商法上で運送営業とは「陸上運送営業」のことです。試験問題で狙われそうな条文は,「577条」,「578条」
第577条
運送人ハ自己若クハ運送取扱人又ハ其使用人其他運送ノ為メ使用シタル者カ運送品ノ受取,引渡,保管及ヒ運送ニ関シ注意ヲ怠ラサリシコトヲ証明スルニ非サレハ運送品ノ滅失,毀損又ハ延著ニ付キ損害賠償ノ責ヲ免ルルコトヲ得ス
第578条
貨幣,有価証券其他ノ高価品ニ付テハ荷送人カ運送ヲ委託スルニ当タリ其種類及ヒ価額ヲ明告シタルニ非サレハ運送人ハ損害賠償ノ責ニ任セス
「577条」の債務不履行責任,「578条」の高価品の解釈等は,少なくとも目を通したほうがよいです。過去問で基礎的な問題である,商法上の「問屋」,「場屋取引」,商法上の「仲立人」が出題されていることから,まずは「用語」のチェックをしましょう!


【商法】改正↓

第569条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 運送人 陸上運送、海上運送又は航空運送の引受けをすることを業とする者をいう。
二 陸上運送 陸上における物品又は旅客の運送をいう。
三 海上運送 第684条に規定する船舶(第747条に規定する非航海船を含む。)による物品又は旅客の運送をいう。
四 航空運送 航空法(昭和27年法律第231号)第2条第1項に規定する航空機による物品又は旅客の運送をいう。

第576条(損害賠償の額)
運送品の滅失又は損傷の場合における損害賠償の額は、その引渡しがされるべき地及び時における運送品の市場価格(取引所の相場がある物品については、その相場)によって定める。ただし、市場価格がないときは、その地及び時における同種類で同一の品質の物品の正常な価格によって定める。
2 運送品の滅失又は損傷のために支払うことを要しなくなった運送賃その他の費用は、前項の損害賠償の額から控除する。
3 前2項の規定は、運送人の故意又は重大な過失によって運送品の滅失又は損傷が生じたときは、適用しない。

第577条(高価品の特則)
貨幣、有価証券その他の高価品については、荷送人が運送を委託するに当たりその種類及び価額を通知した場合を除き、運送人は、その滅失、損傷又は延着について損害賠償の責任を負わない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 物品運送契約の締結の当時、運送品が高価品であることを運送人が知っていたとき。
二 運送人の故意又は重大な過失によって高価品の滅失、損傷又は延着が生じたとき。