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行政書士試験過去問 会社法 会計参与と会計監査人の差異

【令和5年行政書士試験出題】

【問題】会計参与と会計監査人の差異に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

1 大会社、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社は、会計監査人の設置が義務付けられているのに対して、当該いずれの会社形態においても、会計参与は任意に設置される機関である。

2 会計参与は会社法上「役員」に位置づけられるが、会計監査人は「役員」に含まれない。

3 会計参与は定時株主総会において選任決議が必要であるのに対して、会計監査人については、定時株主総会において別段の決議がなされなかったときは、再任されたものとみなす。

4 会計参与は、取締役または執行役と共同して計算関係書類を作成するが、会計監査人は計算関係書類の監査を行う。

5 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為等を発見したときは、遅滞なく、これを監査役等に報告しなければならないが、会計参与にはこのような報告義務はない。


【試験ポイント】✨

「監査役」と「監査人」の違いは,「監査役」は内部チェック機関,「監査人」は外部チェック機関です!また「監査人」は会社法337条1項のとおり,会計監査人は公認会計士又は監査法人でなければなりません。

1〇 会社法第326条(株主総会以外の機関の設置)2項『株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。』

会社法第327条(取締役会等の設置義務等)5項『監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。』

会社法第328条(大会社における監査役会等の設置義務)

『大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。』

2〇 会社法第329条(選任)『役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第371条第4項及び第394条第3項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。』

3〇 会社法第338条(会計監査人の任期)2項『会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。』

4〇 会社法第374条(会計参与の権限)1項,第396条(会計監査人の権限等)1項

5✖ 会社法第375条(会計参与の報告義務)1項,第397条(監査役に対する報告)1項


【会社法(改正対応)】↓

第二節 株主総会以外の機関の設置

第326条(株主総会以外の機関の設置)
株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。
2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。

第327条(取締役会等の設置義務等)
次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。
一 公開会社
二 監査役会設置会社
三 監査等委員会設置会社
四 指名委員会等設置会社
2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。
3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。
4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。
5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。
6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。

第328条(大会社における監査役会等の設置義務)
大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。
2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。


第三節 役員及び会計監査人の選任及び解任

第一款 選任

第329条(選任)
役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第371条第4項及び第394条第3項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。
2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。
3 第1項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。

第337条(会計監査人の資格等)
会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。
2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。この場合においては、次項第2号に掲げる者を選定することはできない。
3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。
一 公認会計士法の規定により、第435条第2項に規定する計算書類について監査をすることができない者
二 株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者
三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの

第338条(会計監査人の任期)
会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。
3 前2項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。


第六節 会計参与

第374条(会計参与の権限)
会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第435条第2項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第441条第1項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第444条第1項に規定する連結計算書類をいう。第396条第1項において同じ。)を作成する。この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。
2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。
一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第333条第3項第2号又は第3号に掲げる者を使用してはならない。
6 指名委員会等設置会社における第1項及び第2項の規定の適用については、第1項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第2項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。

第375条(会計参与の報告義務)
会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。
2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。
3 監査等委員会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。4 指名委員会等設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。


第九節 会計監査人

第396条(会計監査人の権限等)
会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。
2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。
一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。
一 第337条第3項第1号又は第2号に掲げる者
二 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者
三 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者
6 指名委員会等設置会社における第2項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。

第397条(監査役に対する報告)
会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。
2 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。
3 監査役会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
4 監査等委員会設置会社における第1項及び第2項の規定の適用については、第1項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第2項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。
5 指名委員会等設置会社における第1項及び第2項の規定の適用については、第1項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第2項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。