大分県版 消費者が悪徳不動産に騙されないための予備知識【13】
「違反項目」,「重要事項の説明義務違反」が下記の項目に該当する場合は,大分県「標準処分例」によるとそれぞれ「7日」,「15日」,「30日」,「15日」,「30日」,「60日」間の「65条2項2号,4項2号」違反として,「業務停止」処分がなされます😊
【7日間】
(1)次のいずれかに該当する場合((2)の場合は除く。)
① 法第35条第1項から第3項までの書面に,同条第1項各号から第3項各号までに掲げる事項の一部を記載せず,又は虚偽の記載をした場合
② 法第35条第1項から第3項までの書面は交付したものの,説明はしなかった場合
③ 取引士以外の者が,法第35条第1項から第3項までの規定による重要事項説明をした場合
【15日間】
(2)(1)に該当する場合において,当該違反行為により関係者の損害が発生した場合((3)の場合を除く。)
【30日間】
(3)(2)の場合において,当該関係者の損害の程度が大であると認められる場合
【15日間】
(4)法第35条第1項から第3項までの規定に違反して,同条第1項から第3項までの書面を交付しなかった場合((5)の場合を除く。)
【30日間】
(5)(4)の場合において,当該違反行為により関係者の損害が発生した場合((6)の場合を除く。)
【60日間】
(6)(5)の場合において,当該関係者の損害の程度が大であると認められる場合
第35条(重要事項の説明等)
宅地建物取引業者は,宅地若しくは建物の売買,交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買,交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して,その者が取得し,又は借りようとしている宅地又は建物に関し,その売買,交換又は貸借の契約が成立するまでの間に,宅地建物取引士をして,少なくとも次に掲げる事項について,これらの事項を記載した書面(第5号において図面を必要とするときは,図面)を交付して説明をさせなければならない。
一 当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては,その名称)
二 都市計画法,建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。以下この条において同じ。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要
三 当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるときは,私道に関する負担に関する事項
四 飲用水,電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては,その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
※ 国土交通省【解釈】によると,ガス配管設備等に関して,住宅の売買後においても宅地内のガスの配管設備等の所有権が家庭用プロパンガス販売業者にあるものとする場合には,その旨の説明をすることとする。
五 当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは,その完了時における形状,構造その他国土交通省令・内閣府令で定める事項
※ 下記の「解釈」のとおり
六 当該建物が建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第2条第1項に規定する区分所有権の目的であるものであるときは,当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容,同条第4項に規定する共用部分に関する規約の定めその他の一棟の建物又はその敷地(一団地内に数棟の建物があつて,その団地内の土地又はこれに関する権利がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には,その土地を含む。)に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で契約内容の別に応じて国土交通省令・内閣府令で定めるもの
七 代金,交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的
八 契約の解除に関する事項
九 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
十 第41条第1項に規定する手付金等を受領しようとする場合における同条又は第41条の二の規定による措置の概要
十一 支払金又は預り金(宅地建物取引業者の相手方等からその取引の対象となる宅地又は建物に関し受領する代金,交換差金,借賃その他の金銭(第41条第1項又は第41条の二第1項の規定により保全の措置が講ぜられている手付金等を除く。)であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)を受領しようとする場合において,第64条の三第2項の規定による保証の措置その他国土交通省令・内閣府令で定める保全措置を講ずるかどうか,及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
十二 代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
十三 当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか,及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
十四 その他宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護の必要性及び契約内容の別を勘案して,次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ,それぞれ当該イ又はロに定める命令で定める事項
イ 事業を営む場合以外の場合において宅地又は建物を買い,又は借りようとする個人である宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に資する事項を定める場合 国土交通省令・内閣府令
ロ イに規定する事項以外の事項を定める場合 国土交通省令
2 宅地建物取引業者は,宅地又は建物の割賦販売(代金の全部又は一部について,目的物の引渡し後一年以上の期間にわたり,かつ,二回以上に分割して受領することを条件として販売することをいう。以下同じ。)の相手方に対して,その者が取得しようとする宅地又は建物に関し,その割賦販売の契約が成立するまでの間に,宅地建物取引士をして,前項各号に掲げる事項のほか,次に掲げる事項について,これらの事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。
一 現金販売価格(宅地又は建物の引渡しまでにその代金の全額を受領する場合の価格をいう。)
二 割賦販売価格(割賦販売の方法により販売する場合の価格をいう。)
三 宅地又は建物の引渡しまでに支払う金銭の額及び賦払金(割賦販売の契約に基づく各回ごとの代金の支払分で目的物の引渡し後のものをいう。第42条第1項において同じ。)の額並びにその支払の時期及び方法
3 宅地建物取引業者は,宅地又は建物に係る信託(当該宅地建物取引業者を委託者とするものに限る。)の受益権の売主となる場合における売買の相手方に対して,その者が取得しようとしている信託の受益権に係る信託財産である宅地又は建物に関し,その売買の契約が成立するまでの間に,宅地建物取引士をして,少なくとも次に掲げる事項について,これらの事項を記載した書面(第5号において図面を必要とするときは,図面)を交付して説明をさせなければならない。ただし,その売買の相手方の利益の保護のため支障を生ずることがない場合として国土交通省令で定める場合は,この限りでない。
一 当該信託財産である宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては,その名称)
二 当該信託財産である宅地又は建物に係る都市計画法,建築基準法その他の法令に基づく制限で政令で定めるものに関する事項の概要
三 当該信託財産である宅地又は建物に係る私道に関する負担に関する事項
四 当該信託財産である宅地又は建物に係る飲用水,電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては,その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
五 当該信託財産である宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは,その完了時における形状,構造その他国土交通省令で定める事項
六 当該信託財産である建物が建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的であるものであるときは,当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容,同条第4項 に規定する共用部分に関する規約の定めその他の一棟の建物又はその敷地(一団地内に数棟の建物があつて,その団地内の土地又はこれに関する権利がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には,その土地を含む。)に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で国土交通省令で定めるもの
七 その他当該信託の受益権の売買の相手方の利益の保護の必要性を勘案して国土交通省令で定める事項
4 宅地建物取引士は,前3項の説明をするときは,説明の相手方に対し,宅地建物取引士証を提示しなければならない。
5 第1項から第3項までの書面の交付に当たつては,宅地建物取引士は,当該書面に記名押印しなければならない。
第35条第1項関係
1 重要事項の説明について
宅地建物取引業者は,重要事項の説明に先立ち,重要事項の説明を受けようとする者に対して,あらかじめ重要事項説明の構成や各項目の留意点について理解を深めるよう,重要事項の全体像について書面を交付して説明することが望ましい。この場合,交付する書面は,別添2を参考とすることが望ましい。本項各号に掲げる事項は,宅地建物取引業者がその相手方又は依頼者に説明すべき事項のうち最小限の事項を規定したものであり,これらの事項以外にも場合によっては説明を要する重要事項があり得る。重要事項の説明は,説明を受ける者が理解しやすい場面で分かりやすく説明することが望ましく,取引物件に直接関係する事項であるため取引物件を見ながら説明する方が相手方の理解を深めることができると思われる事項については,重要事項の全体像を示しながら取引物件の現場で説明することが望ましい。ただし,このような場合にも,説明を受ける者が重要事項全体を十分把握できるよう,従来どおり契約の締結までの間に改めて宅地建物取引士が重要事項全体の説明をすることとする。なお,重要事項の説明を行う際には,別添3に示す「重要事項説明書」を参考と
することが望ましい。
2 土地区画整理法第110条の規定による清算金に関する説明について宅地建物取引業者が土地区画整理事業の施行地区内の仮換地の売買等の取引に関与する場合は,重要事項の説明時にその売買,交換及び貸借の当事者に対して「換地処分の公告後,当該事業の施行者から換地処分の公告の日の翌日における土地所有者及び借地人に対して清算金の徴収又は交付が行われることがある」旨を重要事項説明書に記載の上説明することとする。
3 借地権付建物及び借地権の存する宅地の売買等について
(1)宅地建物取引業者が,借地権付建物の売買等を行う場合においては,建物と敷地の権利関係の重要性にかんがみ,当該借地権の内容について説明することとする。
(2)売買等の対象である借地権付建物が,建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的であるものであるときには,法第35条第1項第6号に基づき,必ず当該借地権の内容を説明することとする。
(3)宅地建物取引業者が,借地権の存する宅地の売買等を行う場合において,当該借地権が登記されたものである場合は,法第35条第1項第1号に基づき,必ず借地権の内容につき説明することとする。当該借地権の登記がない場合においても,土地の上に借地権者が登記された建物を所有するときは第三者に対抗できることにかんがみ,宅地建物取引業者は,当該宅地上に建物が存する場合には,建物と当該宅地の権利関係を確認し,借地権の存否及び借地権の内容につき説明することとする。また,借地権の登記がなく,宅地上に建物が存しない場合においても,借地権者が,借地借家法第10条第2項に基づき,土地の上に一定の掲示をしたときは第三者に対抗できることにかんがみ,宅地建物取引業者は,当該宅地上に借地権の存在を知り得た場合においては,借地権の内容につき説明することとする。
4 借地権付建物の賃貸借の代理又は媒介について
宅地建物取引業者が,借地権付建物の賃貸借の代理又は媒介を行う場合においては,当該借地契約の建物賃借人にとっての重要性にかんがみ,当該建物が借地権付建物である旨及び借地権の内容につき説明することとする。
第35条第1項第5号関係
1 宅地の形状,構造について
当該宅地の地積,外周の各辺の長さを記入した平面図を交付し,また,当該宅地の道路からの高さ,擁壁,階段,排水施設,井戸等の位置,構造等について説明することとし,特にこれらの施設の位置については,上記の平面図に記入することとする。なお,上記の平面図は,これらの状況が十分に理解できる程度の縮尺のものにすることとする。
2 建物の形状,構造について
当該建物の敷地内における位置,各階の床面積及び間取りを示す平面図(マンション等建物の一部にあっては,敷地及び当該敷地内における建物の位置を示す平面図並びに当該物件の存する階の平面図並びに当該物件の平面図)を交付し,また,当該建物の鉄筋コンクリート造,ブロック造,木造等の別,屋根の種類,階数等を説明することとする。なお,上記の平面図は,これらの状況が十分に理解できる程度の縮尺のものにすることとする。
3 宅地に接する道路の構造及び幅員について
道路については,その位置及び幅員を1の平面図に記入し,また側溝等の排水施設,舗装の状況等について説明することとする。
4 建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げについて
主要構造部(建築基準法上の主要構造部をいう。)については,それぞれの材質を,内装及び外装については,主として天井及び壁面につきその材質,塗装の状況等を説明することとする。
5 建物の設備の設置及び構造について
建築基準法上の建築設備のほか,厨房設備,照明設備,備え付けの家具等当該建物に附属する設備(屋内の設備に限らず門,へい等屋外の設備をも含む。)のうち主要なものについて,その設置の有無及び概況(配置,個数,材質等)を説明することとし,特に配置については,図面で示すことが必要かつ可能である場合には,2の平面図に記入することとする。
6 工事完了時売買について
宅地建物の工事完了前売買については,工事完了時における当該宅地建物の形状,構造その他国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を交付して説明することとされているが,工事完了時売買についても工事完了前売買と同様にこれらの事項について説明することとする。また,いずれの場合においても,図面その他の書面への記載に当たっては,建物の構造,設備,仕上げ等について購入者が理解しやすいように具体的に記載することとする。
7 重要事項説明書について
本号に掲げる事項について図面を交付したときは,その図面に記載されている事項は改めて重要事項説明書に記載することを要しないこととする。