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大分県宅地建物取引士等の監督処分基準

宅地建物取引士等の違反行為に対する監督処分基準
第1章 総則
第1条(趣旨)
この基準は,宅地建物取引士等の違反行為に対する監督処分の公正の確保を図るため,宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。以下「法」という。)に定めるもののほか,必要な事項を定めるものとする。

第2条(用語の定義)
この基準において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)取引士 法第18条の登録を受けている者(以下「取引士等」という。)で,法第22条の2の取引士証の交付を受けているものをいう。
(2)監督処分 法第68条第1項又は第3項の規定による指示(以下「指示処分」という。),同条第2項又は第4項の規定による事務禁止(以下「事務禁止処分」という。)及び法第68条の2第1項(同項第4号に該当する場合に限る。)又は同条第2項(同項第3号に該当する場合に限る。)の規定による登録の消除(以下「登録消除処分」という。)をいう。
(3)違反行為 前号に定める監督処分の対象となる行為をいい,別表に定める違反項目を単位とする。
 
第3条(監督処分の決定手続)
監督処分は,原則として,当該監督処分に係る法第69条第2項において準用する法第16条の15第3項に規定する聴聞の期日及び場所を公示する日前5年以内に当該違反行為を行った取引士等がした違反行為に対してするものとする。
2 一の違反行為に対し監督処分をしようとする場合の監督処分の内容は,次章の規定に基づき決定する。この場合において,当該監督処分の内容が事務禁止処分となるときは,第5条の規定による加重の要否を判断して決定する。
3 複数の違反行為に対し一の監督処分をしようとする場合(一の取引士に対し,指示処分及び事務禁止処分を同時に行う場合を含む。以下同じ。)の当該処分の内容は,各違反行為について前項の規定を適用して決定する。この場合において,当該監督処分の内容が事務禁止処分となるときは,次条の規定による調整を行った後に,第5条の規定による加重の要否を判断して決定する。
4 前2項の規定により決定した監督処分の内容については,斟酌すべき特段の事情があるときは,加重又は軽減することを妨げない。
5 違反行為の軽重及び態様,違反行為後の取引士の措置状況等を総合的に勘案したうえで,監督処分に至らない違反行為については,必要な指導,助言又は勧告をするものとする。
 
第4条(複数の違反行為に対する事務禁止の期間の調整)
複数の違反行為に対し一の監督処分をしようとする場合において,事務禁止に相当する違反行為が複数含まれているときは,これらの違反行為に対する事務禁止の期間は,次に掲げる日数のうち,いずれか短期である日数とする。
(1)各違反行為に対する事務禁止の期間のうち,最も長期であるものに2分の3を乗じて得た日数(その日数に1日未満の端数があるときは、これを切り捨てる。次条,第7条第2項及び第4項において同じ。)
(2)各違反行為に対する事務禁止の期間を合計して得た日数
2 前項の場合において,複数の違反行為(直接,取引に係る違反行為に限る。)が複数の取引に係るものであるときにおける同項第1号の規定の適用については,同規定中「2分の3」とあるのは,「2」とする。
 
第5条(処分歴がある場合の加重)
事務禁止処分をしようとする場合において,当該処分の対象である違反行為のあった日(複数の違反行為に対し一の監督処分をしようとする場合にあっては,当該複数の違反行為のうち最初に発生した違反行為のあった日)前5年以内に,当該取引士等が指示処分又は事務禁止処分を受けていたときは,事務禁止の期間について,第7条及び第8条の規定により算出した日数(事務禁止に相当する違反行為が複数含まれている場合は,前条の規定により算出した日数)に2分の3を乗じて得た日数に加重するものとする。
 
第6条(監督処分の実施方法)
指示処分及び事務禁止処分を一の取引士に対し同時にしようとする場合には,当該指示処分に係る指示書及び当該事務禁止処分に係る事務禁止命令書の双方を交付するものとする。
2 事務禁止処分をしようとする場合には,新たな損害が発生するおそれが大であるとき,その他直ちに事務を禁止させることが必要な場合を除き,事務禁止命令書の到達日の翌日から起算して2週間を経過する日を,事務禁止の開始日として指定するものとする。

第2章 各違反行為に対する監督処分
第7条(1項各号違反行為に対する監督処分)
取引士が法第68条第1項各号に規定する違反行為(以下「1項各号違反行為」という。)をした場合は,事務禁止処分をするものとする。この場合における事務禁止の期間は,別表に定める日数に次項の規定による加重又は第3項若しくは第4項の規定による軽減の要否を判断して決定する。
2 1項各号違反行為が,次の各号のいずれかに該当する場合には,当該違反行為に係る事務禁止の期間は,別表に定める日数に2分の3を乗じて得た日数に加重することができる。ただし,当該1項各号違反行為(法第68条第1項第3号(当該行為が故意により行われた場合を除く。)に該当する場合に限る。次項において同じ。)が,第4項各号のいずれかに該当するときは、別表に定める日数とする。
(1)当該違反行為により発生し,又は発生が見込まれる損害の程度が,特に大きいとき。
(2)当該違反行為の態様が,暴力的行為又は詐欺的行為による等,特に悪質であるとき。
(3)当該違反行為による違反状態が長期にわたっているとき。
(4)当該違反行為が及ぼす社会的影響が大きいとき。
3 1項各号違反行為(法第68条第1項第3号(当該行為が故意によりに行われた場合を除く。)に該当する場合に限る。次項において同じ。)が,次の各号のいずれかに該当する場合は,指示処分に軽減できる。
(1)当該違反行為により関係者の損害が発生せず,かつ,今後発生することが見込まれないとき。
(2)知事が当該違反行為の存在を覚知するまでに,又は知事の指摘に応じて直ちに,当該取引士又は当該取引士を置く宅地建物取引業者(以下「業者」という。)が関係者の損害の補填に関する取組みを開始した場合において,当該補填の内容が合理的であり,かつ,当該取引士又は当該取引士を置く業者の対応が誠実であると認められるとき。
(3)知事が当該違反行為の存在を覚知するまでに,又は知事の指摘に応じて直ちに,違反状態を是正したとき(関係者の損害が発生した場合には、前号に該当する場合に限る。)。
4 1項各号違反行為が,次の各号のいずれかに該当する場合は,当該違反行為に係る事務禁止の期間は,別表に定める日数に4分の3を乗じて得た日数に軽減することができる。
(1)当該違反行為により発生し,又は発生が見込まれる関係者の損害の程度が軽微であるとき。
(2)当該取引士又は当該取引士を置く業者が,関係者の損害の一部を補填したとき(前項第2号に該当する場合を除く。)。

第8条(指示処分に従わない場合の監督処分)
取引士が指示処分に従わない場合は,事務禁止処分をするものとする。この場合における事務禁止の期間は,別表に定める日数とする。

第9条(登録消除処分)
取引士(他の都道府県知事の登録を受けている者を除く。)が次の各号のいずれかに該当する場合は,登録消除処分をするものとする。(1)第7条の規定により事務禁止処分となる違反行為をした場合で,当該違反行為の情状が特に重いとき。
(2)事務禁止処分に違反したとき。
2 法第18条の登録を受けている者(他の都道府県知事の登録を受けている者を除く。)で,法第22条の2の取引士証の交付を受けていないものが法第68条の2第2項第3号に該当する場合には,登録消除処分をするものとする。

第3章 その他
第10条(処分の保留)
次の各号のいずれかに該当する場合には,必要と認められるまでの間,監督処分の決定を保留することができる。
(1)当該違反行為に係る取引に関し,又は当該違反行為を行った業者若しくは取引士等に対し,犯罪の捜査が行われ,又は書類送検,起訴等がなされたとき。
(2)当該違反行為に係る取引の関係者を保護するため特に必要があると認められるとき。
(3)当該違反行為に係る取引に関し,関係者が民事訴訟等により係争中であり、その結果により判断する必要があると認められるとき。

附 則
1 この基準は,平成24年5月1日から施行する。ただし,この基準の施行の日前にした違反行為に対する監督処分については,なお従前の例による。
2 前項の規定にかかわらず,複数の違反行為に対し一の監督処分をしようとする場合に,当該複数の違反行為にこの基準の施行前にしたものと施行後にしたものがあるときは,当該複数の違反行為の全てに宅地建物取引業法に係る監督処分基準(以下「旧基準」という。)を適用して決定した処分又は当該複数の違反行為の全てにこの基準を適用して決定した処分のいずれか軽い処分とする。ただし,当該複数の違反行為のうち,この基準の施行前にした違反行為に旧基準を適用して決定した処分(以下「旧基準処分」という。)又はこの基準の施行後にした違反行為にこの基準を適用して決定した処分(以下「本基準処分」という。)が,当該軽い処分より重い処分となるときは,旧基準処分又は本基準処分のいずれか重い処分とする。
附 則
この規準は,平成27年4月1日から施行する。