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行政書士過去問 公開会社であり、かつ大会社

【令和2年行政書士試験出題】

【問題】公開会社であり、かつ大会社に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

1 譲渡制限株式を発行することができない。

2 発行可能株式総数は、発行済株式総数の4倍を超えることはできない。

3 株主総会の招集通知は書面で行わなければならない。

4 会計監査人を選任しなければならない。

5 取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。


【試験ポイント】✨

1✖ 会社法2条5号「公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。」,通常使われる上場会社ではないことに注意!すべての種類の株式について譲渡制限がある株式会社以外の株式会社が公開会社です。

2〇 会社法第37条(発行可能株式総数の定め等)3項『設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。』,4倍ルール。

3〇 会社法第299条(株主総会の招集の通知)2項2号

4〇 会社法第328条(大会社における監査役会等の設置義務)1項『大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。』

5〇 会社法第331条(取締役の資格等)2項『 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。』


【会社法(改正対応)】↓

第2条(定義)
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。
二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。
三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。
イ 子会社
ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの
四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。
イ 親会社
ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの
五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。
六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。
イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第439条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第435条第1項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が5億円以上であること。
ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が2百億円以上であること。
七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。
八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。
九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。
十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。
十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。
十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。
十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。
十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。
十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。
十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。
イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第363条第1項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
ロ その就任の前10年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。
ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。
ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。
十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。
イ その就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
ロ その就任の前10年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。
ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。
ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。
十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。
二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。
二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。
二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第676条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。
二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第435条第2項に規定する計算書類につき第438条第2項の承認(第439条前段に規定する場合にあっては、第436条第3項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。
二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。
二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。
イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社
ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社
二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。
二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。
二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。
三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。
三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。
三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。
三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第774条の三第2項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。
三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。
三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。

第37条(発行可能株式総数の定め等)
発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。
3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。

第299条(株主総会の招集の通知)
株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の2週間(前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、1週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。
2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
一 前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合
二 株式会社が取締役会設置会社である場合
3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
4 前2項の通知には、前条第1項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

第328条(大会社における監査役会等の設置義務)
大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。
2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。

第331条(取締役の資格等)
次に掲げる者は、取締役となることができない。
一 法人
二 削除
三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第197条、第197条の二第1号から第10号の三まで若しくは第13号から第15号まで、第198条第8号、第199条、第200条第1号から第12号の二まで、第20号若しくは第21号、第203条第3項若しくは第205条第1号から第6号まで、第19号若しくは第20号の罪、民事再生法(平成11年法律第225号)第255条、第256条、第258条から第260条まで若しくは第262条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成12年法律第129号)第65条、第66条、第68条若しくは第69条の罪、会社更生法(平成14年法律第154号)第266条、第267条、第269条から第271条まで若しくは第273条の罪若しくは破産法(平成16年法律第75号)第265条、第266条、第268条から第272条まで若しくは第274条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。
3 監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
4 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。
5 取締役会設置会社においては、取締役は、3人以上でなければならない。
6 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、3人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。