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令和4年行政書士試験過去問解説 ズバリ出たラムサール条約

【令和4年行政書士試験出題】

【問題】次の文章の空欄ア~オに当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

地球環境問題を解決するためには、国際的な協力体制が不可欠である。1971年には特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関して、が採択された。1972年に国連人間環境会議がスウェーデンのストックホルムで開催され、国際的に環境題に取り組むためのが決定された。しかし、石油危機後の世界経済の落ち込みにより、環境対策より経済政策が各国で優先され、解決に向けた歩みは進まなかった。それでも、1992年にブラジルのリオデジャネイロで国連環境開発会議(地球サミット)が開催され、「持続可能な開発」をスローガンに掲げたリオ宣言が採択された。同時に、環境保全に向けての行動計画であるアジェンダ21、地球温暖化対策に関するや、生物多様性条約なども採択された。その後、1997年の第3回締約国会議(COP3)でが採択され、さらに、2015年の第21回締約国会議(COP21)でが採択されるなど、取組が続けられている。

1(ア)国連環境計画(イ)パリ協定(ウ)京都議定書(エ)ラムサール条約(オ)気候変動枠組条約

2(ア)国連環境計画(イ)京都議定書(ウ)パリ協定(エ)気候変動枠組条約(オ)ラムサール条約

3(ア)ラムサール条約(イ)パリ協定(ウ)国連環境計画(エ)京都議定書(オ)気候変動枠組条約

4(ア)ラムサール条約(イ)国連環境計画(ウ)気候変動枠組条約(エ)京都議定書(オ)パリ協定

5(ア)京都議定書(イ)気候変動枠組条約(ウ)ラムサール条約(エ)国連環境計画(オ)パリ協定


【特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約】↓

締約国は、人間とその環境とが相互に依存していることを認識し、水の循環を調整するものとしての湿地の及び湿地特有の動植物特に水鳥の生息地としての湿地の基本的な生態学的機能を考慮し、湿地が経済上、文化上、科学上及びレクリエーショシ上大きな価値を有する資源であること及び湿地を喪失することが取返しのつかないことであることを確信し、湿地の進行性の侵食及び湿地の喪失を現在及び将来とも阻止することを希望し、水鳥が、季節的移動に当たつて国境を越えることがあることから、国際的な資源として考慮されるべきものであることを認識し、湿地及びその動植物の保全が将来に対する見通しを有する国内政策と、調整の図られた国際的行動とを結び付けることにより確保されるものであることを確信して、次のとおり協定した。

第一条
1 この条約の適用上、湿地とは、天然のものであるか人工のものであるか、永続的なものであるか一時的なものであるかを問わず、更には水が滞つているか流れているか、淡水であるか汽水であるか鹹水であるかを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地又は水域をいい、低潮時における水深が六メートルを超えない海域を含む。
2 この条約の適用上、水鳥とは、生態学上湿地に依存している鳥類をいう。


【ラムサール条約】↓

1971年2月2日,イラン(都市ラムサール)で開催された,「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において,制定。

1975年12月21日発効。

1980年10月17日,日本加入(釧路湿原を条約湿地として指定。)

条約の3つの柱

条約の目的である湿地の「保全(再生)」と「ワイズユース(賢明な利用)」,これらを促進する「交流,学習(CEPA)」

現在の条約登録湿地は53カ所

令和3年11月18日,鹿児島県出水市の「出水ツルの越冬地」


多国間環境条約の記事は,こちら
ズバリ的中の京都議定書・パリ協定の年表は,こちら


【国連環境計画(United Nations Environment Programme(UNEP))】↓

【所在地】ナイロビ

【1972年6月】ストックホルムで「かけがえのない地球」をキャッチフレーズ。7つのサブプログラム(気候変動,災害・紛争,生態系管理,環境ガバナンス,化学物質・廃棄物,資源効率性,環境レビュー)を中心に活動。


【試験ポイント】 解答4 ラムサール条約・京都議定書・パリ協定等は過去の記事でも触れたように特に公務員試験で頻繁に出題される事項なので,一般知識として定着させましょう。