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「トイレ屋根裏で数年間生活? 臼杵公園 侵入容疑で逮捕」記事について

『トイレ屋根裏で数年間生活? 臼杵公園 侵入容疑で逮捕
臼杵公園のトイレに侵入したとして、臼杵津久見署は13日、建造物侵入の疑いで、住所不定で無職、氏名不詳の男を逮捕した。トイレの屋根裏には多数の生活用品が残されており、同署は男が暮らしていたとみて動機や生活実態を調べる。逮捕容疑は同日午前8時45分ごろ、臼杵市臼杵の臼杵公園にあるトイレの屋根裏に侵入した疑い。同署によると、男子トイレの天井にある「点検口」から侵入していたとみられる。同日朝、前日にトイレの電気工事をした業者が市を通じて「屋根裏に人がいる」と110番通報した。男は調べに対し「数年前から寝泊まりしていた」と話し、容疑を認めている。大分合同新聞記事引用』

この記事を読んで思うことですが,ある意味感傷的な気分になりましたね。おそらく同じ日本国民であるにもかかわらず,このような生活をしている日本国民が身近にいるとは・・・他方,国会議員等は不倫騒動など,何か日本国民として考えることはできないのでしょうか。江戸時代において権力者たちは,このような問題に直面したときどのように対処していたのだろうか。それはさておき,本題の「住居侵入罪」の条文です



(住居侵入等)
第130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

この条文にあるように,「建造物」とは,上記の「住居」「邸宅」以外の建物(官公署の庁舎,学校,倉庫等)とそれに付随する敷地です。そして,「人の看守する」,上記の場合は「臼杵公園」とあることから「臼杵市が看守していたトイレ」となりますね。
判例として,

『昭和59年12月18日最高裁判決において,理由弁護人山口紀洋の上告趣意第一について 所論は、憲法21条1項違反をいうが、憲法21条1項は、表現の自由を絶対無制限に保障したものではなく、公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認するものであつて、たとえ思想を外部に発表するための手段であつても、その手段が他人の財産権、管理権を不当に害するごときものは許されないといわなければならないから、原判示A線吉祥寺駅構内において、他の数名と共に、同駅係員の許諾を受けないで乗降客らに対しビラ多数枚を配布して演説等を繰り返したうえ、同駅の管理者からの退去要求を無視して約二〇分間にわたり同駅構内に滞留した被告人4名の本件各所為につき、鉄道営業法35条及び刑法130条後段の各規定を適用してこれを処罰しても憲法21条1項に違反するものでないことは、当裁判所大法廷の判例(昭和23年(れ)第1308号同24年5月18日判決・刑集3巻6号839頁、昭和24年(れ)第2591号同25年9月27日判決・刑集4巻9号1799頁、昭和42年(あ)第1626号同45年6月17日判決・刑集24巻6号280頁)の趣旨に徴し明らかであつて、所論は理由がない。同第二について 所論は、判例違反をいうが、所論引用の判例は、鉄道地内への侵入が問題となつている事案であつて、本件とは事案を異にし適切でないから、適法な上告理由にあたらない。なお、鉄道営業法35条にいう「鉄道地」とは、鉄道の営業主体が所有又は管理する用地・地域のうち、直接鉄道運送業務に使用されるもの及びこれと密接不可分の利用関係にあるものをいい、刑法130条にいう「人ノ看守スル建造物」とは、人が事実上管理・支配する建造物をいうと解すべきところ、原判決及びその是認する第一審判決の認定するところによれば、被告人4名の本件各所為が鉄道営業法違反及び不退去の各罪に問われた原判示A線吉祥寺駅南口一階階段付近は、構造上同駅駅舎の一部で、A線又はC線の電車を利用する乗降客のための通路として使用されており、また、同駅の財産管理権を有する同駅駅長がその管理権の作用として、同駅構内への出入りを制限し若しくは禁止する権限を行使しているのであつて、現に同駅南口一階階段下の支柱二本には「駅長の許可なく駅用地内にて物品の販売、配布、宣伝、演説等の行為を目的として立入る事を禁止致します京王帝都吉祥寺駅長」などと記載した掲示板3枚が取り付けられているうえ、同駅南口一階の同駅敷地部分とこれに接する公道との境界付近に設置されたシヤツターは同駅業務の終了後閉鎖されるというのであるから、同駅南口一階階段付近が鉄道営業法35条にいう「鉄道地」にあたるとともに、刑法130条にいう「人ノ看守スル建造物」にあたることは明らかであつて、たとえ同駅の営業時間中は右階段付近が一般公衆に開放され事実上人の出入りが自由であるとしても、同駅長の看守内にないとすることはできない。したがつて、これと同旨の原判断は正当として是認することができる。よつて、刑訴法408条により、主文のとおり判決する。この判決は、裁判官伊藤正己の補足意見があるほか、裁判官全員一致の意見によるものである。