国家公務員試験(国税調査官級)社会科学 出題 過去問解説
【2020年国税調査官級出題】
【問題】公務員の労働三権は,国家公務員法及び地方公務員法などにより一定の制約が加えられている。例えば,自衛官や刑務官は,その職務の性質から,団結権のみが保障されており,団体交渉権及び団体行動権(争議権)は認められていない。一方,地方公務員は,自衛官や刑務官が行うような性質の職務が存在しないため,全ての職種において,団体行動権(争議権)は認められないものの,団結権及び団体交渉権が認められている。
【試験ポイント】✨
まず覚えるポイントは,警察職員・消防職員・海上保安庁職員・自衛隊員・刑務所職員は,労働三権のすべてが適用されません。←ここ重要😊
そして,次のポイントが一般職の地方・国家公務員の団体交渉権については△であること,すなわち,交渉はすることはできるが団体協約を締結する権利を有しないことを覚えて置けばバッチリです!さらに,一般職の地方・国家公務員は「争議権」はダメ✖を覚えましょう🌸
憲法28条において労働者の基本的権利を規定
労働基本権は
① 団結権(勤労者がその労働条件を維持・改善するために組合を組織する権利)
② 団体交渉権(労働組合が使用者と労働条件について交渉する権利)
③ 争議権(ストライキなどを行う権利)
解答✖
【地方公務員】↓
団結権○(職員団体制度。地公法52条③,教特法21条の5①)
団体交渉権△(交渉することはできるが,団体協約を締結する権利は有しない。地公法55条①・②,ただし法令,条例等に抵触しない範囲で書面協定は締結できる。地公法55条⑨)
争議権✖(地公法37条①)
【地方公務員(公営企業,特定地方独法及び技能労務職員)】↓
団結権○(労働組合制度,地公労法5条①)
団体交渉権○(地公労法7条)
争議権✖(地公労法11条①)
【国家公務員】↓
団結権○(国公法108条の2③)
団体交渉権△(交渉することはできるが,団体協約を締結する権利は有しない。国公法108条の5①・②)
争議権✖(国公法98条②)
【国家公務員(現業及び特定独立行政法人職員)】↓
団結権○(労働組合制度,特独労法4条①)
団体交渉権○(特独労法8条)
争議権✖(特独労法17条①)
【憲法】↓
第28条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。