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令和2年行政書士試験出題判例【昭和36年3月7日】国税賦課処分無効請求

【昭和36年3月7日,最高裁判所第三小法廷,国税賦課処分無効請求】

【判事事項】

行政処分の瑕疵が明白であるということの意義。


【裁判要旨】

行政処分の瑕疵が明白であるということは、処分要件の存在を肯定する処分庁の認定の誤認であることが、処分成立の当初から、外形上、客観的に明白であることをさすものと解すべきである。

『行政処分が当然無効であるというためには、処分に重大かつ明白な瑕疵がなければならず、ここに重大かつ明白な瑕疵というのは、「処分の要件の存在を肯定する処分庁の認定に重大・明白な瑕疵がある場合」を指すものと解すべきことは、当裁判所の判例である(昭和32年(オ)第252号同34・9・22第3小法廷判決、集13巻11号1426頁)。右判例の趣旨からすれば、瑕疵が明白であるというのは、処分成立の当初から、誤認であることが外形上、客観的に明白である場合を指すものと解すべきである。もとより、処分成立の初めから重大かつ明白な暇疵があつたかどうかということ自体は、原審の口頭弁論終結時までにあらわれた証拠資料により判断すべきものであるが、所論のように、重大かつ明白な瑕疵があるかどうかを口頭弁論終結時までに現われた証拠及びこれにより認められる事実を基礎として判断すべきものであるということはできない。また、瑕疵が明白であるかどうかは、処分の外形上、客観的に、誤認が一見看取し得るものであるかどうかにより決すべきものであつて、行政庁が怠慢により調査すべき資料を見落したかどうかは、処分に外形上客観的に明白な瑕疵があるかどうかの判定に直接関係を有するものではなく、行政庁がその怠慢により調査すべき資料を見落したかどうかにかかわらず、外形上、客観的に誤認が明白であると認められる場合には、明白な瑕疵があるというを妨げない。原審も、右と同旨の見解に出たものと解すべきであつて、所論は、 右に反する独自の見解を前提とするものであり、すべて採用のかぎりでない。』


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