行政書士試験過去問,「物権的請求権」判例
【 昭和35年6月17日,最高裁判所第2小法廷】
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令和3年行政書士試験【問題29】「物権的請求権」,過去問はこちら✨
【判示事項】
敷地不法占有と家屋収去請求の相手方。
【裁判要旨】
仮処分申請に基き、裁判所の嘱託により家屋所有権保存登記がなされている場合であつても、仮処分前に家屋を未登記のまま第三者に譲渡しその敷地を占拠していない右保存登記名義人に対し、敷地所有者から敷地不法占有を理由として家屋収去請求をすることは許されない。
『本訴は土地の所有者たる上告人(原告)が、被上告人(被告)は上告人所有の右地上に家屋を所有して、何等の権限なく不法に上告人の土地を占拠し、よつて上告人の土地所有権を侵害しているとして、土地の所有権にもとづき、その妨害排除をもとめる物上請求権の行使並びに右所有権の侵害を原因とする損害賠償の訴訟である。右のような土地の所有権にもとづく物上請求権の訴訟においては、現実に家屋を所有することによつて現実にその土地を占拠して土地の所有権を侵害しているものを被告としなければならないのである。』