業務・試験対策

MEASURES

行政書士試験過去問 訴訟の手続の原則

【令和6年行政書士試験出題】

【問題】訴訟の手続の原則に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

1 民事訴訟手続において、裁判長は、口頭弁論の期日または期日外に、訴訟関係を明確にするため、事実上および法律上の事項に関し、当事者に対して問いを発し、または立証を促すことができる。

2 刑事訴訟手続において、検察官は、犯人の性格、年齢および境遇、犯罪の軽重および情状ならびに犯罪後の状況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

3 非訟事件手続において、裁判所は、利害関係者の申出により非公開が相当と認める場合を除き、その手続を公開しなければならない。

4 民事訴訟手続において、裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨および証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。

5 刑事訴訟手続において、検察官は、起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添付し、またはその内容を引用してはならない。


【昭和41年12月27日,最高裁判所大法廷,過料決定に対する抗告棄却の決定に対する抗告】

【判示事項】

一 非訟事件手続法による過料の裁判の合憲性

二 前項の裁判に対する不服申立についての裁判の合憲性


【裁判要旨】

一 非訟事件手続法による過料の裁判は、憲法第31条、第32条、第82条に違反しない。

二 前項の裁判に対する不服申立についての裁判は、公開・対審の手続によらなくても、憲法第32条、第82条に違反しない。


判例は,こちら


【試験ポイント】✨

非訟事件の主な特色として,職権探知主義と簡易迅速主義!

1〇 民事訴訟法149条第1項

2〇 刑事訴訟法248条

3✖ 非訟事件手続法30条

4〇 民事訴用法247条

5〇 刑事訴用法256条第6項


【民事訴訟法】↓

(釈明権等)
第149条 裁判長は、口頭弁論の期日又は期日外において、訴訟関係を明瞭にするため、事実上及び法律上の事項に関し、当事者に対して問いを発し、又は立証を促すことができる。
2 陪席裁判官は、裁判長に告げて、前項に規定する処置をすることができる。
3 当事者は、口頭弁論の期日又は期日外において、裁判長に対して必要な発問を求めることができる。
4 裁判長又は陪席裁判官が、口頭弁論の期日外において、攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じ得る事項について第1項又は第2項の規定による処置をしたときは、その内容を相手方に通知しなければならない。

(自由心証主義)
第247条 裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。


【刑事訴訟法】↓

第248条 犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

第256条 公訴の提起は、起訴状を提出してこれをしなければならない。
② 起訴状には、左の事項を記載しなければならない。
一 被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項
二 公訴事実
三 罪名
③ 公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならない。訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない。
④ 罪名は、適用すべき罰条を示してこれを記載しなければならない。但し、罰条の記載の誤は、被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞がない限り、公訴提起の効力に影響を及ぼさない。
⑤ 数個の訴因及び罰条は、予備的に又は択一的にこれを記載することができる。
⑥ 起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。


【非訟事件手続法】↓

(手続の非公開)
第30条 非訟事件の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。