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行政書士過去問 基礎法学

【平成27年行政書士試験出題】

【問題】裁判には、「判決」、「決定」および「命令」の形式上の区別がある。これらの裁判の形式上の区別に関する次の記述のうち、明らかに妥当でないものはどれか。

1 「判決」とは、訴訟事件の終局的判断その他の重要な事項について、裁判所がする裁判であり、原則として口頭弁論(刑事訴訟では公判と呼ばれる。以下同じ。)に基づいて行われる。

2 「決定」とは、訴訟指揮、迅速を要する事項および付随的事項等について、「判決」よりも簡易な方式で行われる裁判所がする裁判であり、口頭弁論を経ることを要しない。

3 「命令」は、「決定」と同じく、「判決」よりも簡易な方式で行われる裁判であるが、裁判所ではなく個々の裁判官が機関としてする裁判であり、口頭弁論を経ることを要しない。

4 「判決」には、家事事件および少年事件について、家庭裁判所がする審判も含まれ、審判は原則として口頭弁論に基づいて行われる。

5 「判決」の告知は、公開法廷における言渡し、または宣告の方法により行われるが、「決定」および「命令」の告知は、相当と認められる方法により行うことで足りる。


【民事訴訟法(改正対応)】↓

第87条(口頭弁論の必要性)
当事者は、訴訟について、裁判所において口頭弁論をしなければならない。ただし、決定で完結すべき事件については、裁判所が、口頭弁論をすべきか否かを定める。
2 前項ただし書の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。
3 前2項の規定は、特別の定めがある場合には、適用しない。

第119条(決定及び命令の告知)
決定及び命令は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

第120条(訴訟指揮に関する裁判の取消し)
訴訟の指揮に関する決定及び命令は、いつでも取り消すことができる。

第243条(終局判決)
裁判所は、訴訟が裁判をするのに熟したときは、終局判決をする。
2 裁判所は、訴訟の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について終局判決をすることができる。
3 前項の規定は、口頭弁論の併合を命じた数個の訴訟中その一が裁判をするのに熟した場合及び本訴又は反訴が裁判をするのに熟した場合について準用する。

第250条(判決の発効)
判決は、言渡しによってその効力を生ずる。


【家事事件手続法(改正対応)】↓

第33条(手続の非公開)
家事事件の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。


【少年法(改正対応)】↓

第22条(審判の方式)
審判は、懇切を旨として、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならない。
2 審判は、これを公開しない。
3 審判の指揮は、裁判長が行う。


【試験ポイント】✨

「審判」=口頭弁論は不要,非公開。

解答4

原則として決定は裁判所を拘束するが,訴訟指揮に関する決定は例外で,いつでも取消すことができる(120条)。