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行政書士試験過去問 監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社

【平成28年行政書士試験出題】

【問題】監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

1 監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも監査役を設置することができない。

2 監査等委員会設置会社は、定款で定めた場合には、指名委員会または報酬委員会のいずれかまたは双方を設置しないことができる。

3 監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも取締役会設置会社である。

4 監査等委員会設置会社を代表する機関は代表取締役であるが、指名委員会等設置会社を代表する機関は代表執行役である。

5 監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも会計監査人を設置しなければならない。


上場企業の機関設計:監査役会設置会社,監査等委員会設置会社,指名委員会等設置会社の3つの類型。

【監査役会設置会社とは】監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう(2条10号)


【監査等委員会設置会社とは】監査等委員会を置く株式会社をいう。(2条11号の2)

※監査等委員会設置会社の場合には,監査等委員会は存在するものの,指名と報酬に関する委員会を設ける必要は会社法上はない。


【指名委員会等設置会社とは】指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。(2条12号)

※ 指名委員会等設置会社の場合には,取締役会の中に,指名委員会・報酬委員会・監査委員会の3つの委員会が必ず設置


【試験ポイント】✨

1〇 会社法第327条(取締役会等の設置義務等)4項『監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。』

2✖ 監査等委員会設置会社には,「指名委員会または報酬委員会」を設ける必要は会社法上はない。

3〇 会社法第327条(取締役会等の設置義務等)1項3号・4号

4〇 会社法第349条(株式会社の代表)4項,第420条(代表執行役)3項

5〇 会社法第327条(取締役会等の設置義務等)5項『監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。』


【会社法(改正対応)】↓

第327条(取締役会等の設置義務等)
次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。
一 公開会社
二 監査役会設置会社
三 監査等委員会設置会社
四 指名委員会等設置会社
2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。
3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。
4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。
5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。
6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。

第349条(株式会社の代表)
取締役は、株式会社を代表する。ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。
3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。
4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

第420条(代表執行役)
取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。
2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。
3 第349条第4項及び第5項の規定は代表執行役について、第352条の規定は民事保全法第56条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第401条第2項から第4項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。