2009年6月「行政書士試験コメント」「職権探知主義」
【2009年6月】コメント
受験生の皆さん,暑いですね。頑張ってますか。行政書士の試験は「夏」が勝負です!この「夏」を乗り切れば合格の扉が開くと信じて頑張って下さい。さて,今月は「職権探知主義」についてお話を致します。民事訴訟は,弁論主義が主ですが訴訟物の公益性が高い人事訴訟や行政訴訟では「職権探知主義」が認められています。
行政訴訟法24条(職権証拠調べ)
裁判所は,必要があると認めるときは,職権で,証拠調べをすることができる。ただし,その証拠調べの結果について,当事者の意見をきかなければならない。
人事訴訟第20条(職権探知)
人事訴訟においては,裁判所は,当事者が主張しない事実をしん酌し,かつ,職権で証拠調べをすることができる。この場合においては,裁判所は,その事実及び証拠調べの結果について当事者の意見を聴かなければならない。
※ この「当事者の意見を聴かなければならない」が重要であり,真実発見の要請のために弁論主義は排除されているが,手続きの保障まで排除されるのは好ましくないことから,証拠調べの結果について当事者の意見を聴かなければならないとされているのです。受験生の皆さん,「行政事件訴訟法24条」は必ず目を通しておきましょう。