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行政書士試験記述対策 行政手続法36条の3「処分等の求め」

【令和元年出題】

【問題】A所有の雑居ビルは、消防法上の防火対象物であるが、非常口が設けられていないなど、消防法等の法令で定められた防火施設に不備があり、危険な状態にある。しかし、その地域を管轄する消防署の署長Yは、Aに対して改善するよう行政指導を繰り返すのみで、消防法5条1項所定の必要な措置をなすべき旨の命令(「命令」という。)をすることなく、放置している。こうした場合、行政手続法によれば、Yに対して、どのような者が、どのような行動をとることができるか。また、これに対して、Yは、どのような対応をとるべきこととされているか。40字程度で記述しなさい。


(参照条文)

消防法

第5条第1項 消防長又は消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について、火災の予防に危険であると認める場合、消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合、火災が発生したならば人命に危険であると認める場合その他火災の予防上必要があると認める場合には、権限を有する関係者(略)に対し、当該防火対象物の改修、移転、除去、工事の停止又は中止その他の必要な措置をなすべきことを命ずることができる。(以下略)


【試験ポイント】✨

行政手続法36条の3「処分等の求め」を勉強しているかを問う問題です。但し,あまり良い問題ではありません。その理由は,本来の行政手続法36条の3条文である1項「当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。」,3項「必 要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。」部分を記述させるのではなく,問題文中のある「命令」という文言に従って書かなければ,40字の字数制限を超えてしまうところです。

① 「何人も」

② 「命令を求めることができ」

③ 「Yは必要な調査を行い必要と認めたときは命令をすべきである。」


【行政手続法(改正対応)】↓

第36条の3
何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 法令に違反する事実の内容
三 当該処分又は行政指導の内容
四 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
六 その他参考となる事項
3 当該行政庁又は行政機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。