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過去問行政書士試験 行政事件訴訟法の定める執行停止

【平成27年行政書士試験出題】

【問題】行政事件訴訟法の定める執行停止に関する次の記述のうち、妥当な記述はどれか。

1 処分の執行停止の申立ては、当該処分に対して取消訴訟を提起した者だけではなく、それに対して差止訴訟を提起した者もなすことができる。

2 処分の執行停止の申立ては、本案訴訟の提起と同時になさなければならず、それ以前あるいはそれ以後になすことは認められない。

3 本案訴訟を審理する裁判所は、原告が申し立てた場合のほか、必要があると認めた場合には、職権で処分の執行停止をすることができる。

4 処分の執行の停止は、処分の効力の停止や手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない。

5 処分の執行停止に関する決定をなすにあたり、裁判所は、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならないが、口頭弁論を経る必要はない。


【行政事件訴訟法(改正対応)】↓

第25条(執行停止)
処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
2 処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。ただし、処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によつて目的を達することができる場合には、することができない。
3 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
4 執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。
5 第2項の決定は、疎明に基づいてする。
6 第2項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。ただし、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならない。
7 第2項の申立てに対する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
8 第2項の決定に対する即時抗告は、その決定の執行を停止する効力を有しない。


【試験ポイント】✨

1✖ 差止め訴訟に執行停止は準用されていない。行政事件訴訟法38条,25条2項。

2✖ 「本案訴訟の提起と同時」が間違い。行政事件訴訟法25条2項

3✖ 職権で処分の執行停止することはできない。「申立てにより」行政事件訴訟法25条2項

4✖ 行政事件訴訟法25条2項『処分の効力の停止は、』

5〇 行政事件訴訟法25条6項


38条の準用関係は,こちら