業務・試験対策

MEASURES

行政書士試験 過去問解説 基礎法学

【令和元年行政書士試験過去問】

【問題】裁判の審級制度等に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア 民事訴訟および刑事訴訟のいずれにおいても、簡易裁判所が第1審の裁判所である場合は、控訴審の裁判権は地方裁判所が有し、上告審の裁判権は高等裁判所が有する。

イ 民事訴訟における控訴審の裁判は、第1審の裁判の記録に基づいて、その判断の当否を事後的に審査するもの(事後審)とされている。

ウ 刑事訴訟における控訴審の裁判は、第1審の裁判の審理とは無関係に、新たに審理をやり直すもの(覆審)とされている。

エ 上告審の裁判は、原則として法律問題を審理するもの(法律審)とされるが、刑事訴訟において原審の裁判に重大な事実誤認等がある場合には、事実問題について審理することがある。

オ 上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について、下級審の裁判所を拘束する。


1 ア・イ

2 ア・オ

3 イ・ウ

4 ウ・エ

5 エ・オ


【試験ポイント】✨

今後も同様な問題が繰り返し出題されると思いますので,一般知識として押さえておきましょうね。

ア✖ 裁判所法16条第3号 刑事訴訟が間違い。

イ✖ 日本の民事訴訟は続審制を採用。新たな証拠や主張を提出できる。これに対して,刑事控訴審は事後審制。

ウ✖ 事後審制

エ〇 刑事訴訟法411条

オ〇 裁判所法4条


【裁判所法】↓

第4条(上級審の裁判の拘束力)
上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束する。

第16条(裁判権)
高等裁判所は、左の事項について裁判権を有する。
一 地方裁判所の第1審判決、家庭裁判所の判決及び簡易裁判所の刑事に関する判決に対する控訴
二 第7条第2号の抗告を除いて、地方裁判所及び家庭裁判所の決定及び命令並びに簡易裁判所の刑事に関する決定及び命令に対する抗告
三 刑事に関するものを除いて、地方裁判所の第2審判決及び簡易裁判所の判決に対する上告四 刑法第77条乃至第79条の罪に係る訴訟の第1審


【刑事訴訟法(改正対応)】↓

第411条
上告裁判所は、第405条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
一 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。
二 刑の量定が甚しく不当であること。
三 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。
四 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。
五 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。