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行政書士試験過去問 長沼ナイキ基地訴訟【 昭和57年9月9日,最高裁判所第1小法廷】

【昭和57年9月9日, 最高裁判所第1小法廷, 保安林解除処分取消】

【判事事項】

一 森林法27条1項にいう「直接の利害関係を有する者」と保安林指定解除処分取消訴訟の原告適格

二 森林法27条1項にいう「直接の利害関係を有する者」として保安林指定解除処分取消訴訟の原告適格が認められた事例

三 いわゆる代替施設の設置と保安林指定解除処分取消訴訟の訴えの利益

四 保安林指定解除処分に伴う立木竹の伐採後の跡地利用によつて生ずる利益侵害の危険と保安林指定解除処分取消訴訟の原告適格


【裁判要旨】

一 保安林の指定につき森林法27条1項にいう「直接の利害関係を有する者」は、右指定の解除処分取消訴訟の原告適格を有する。

二 農業用水の確保を目的とし、洪水予防、飲料水の確保の効果をも配慮して指定された保安林の指定解除により洪水緩和、渇水予防上直接の影響を被る一定範囲の地域に居住する住民は、森林法27条1項にいう「直接の利害関係を有する者」として、右解除処分取消訴訟の原告適格を有する。

三 いわゆる代替施設の設置によつて洪水、渇水の危険が解消され、その防止上からは保安林の存続の必要性がなくなつたと認められるに至つたときは、右防止上の利益侵害を基礎として保安林指定解除処分取消訴訟の原告適格を認められた者の訴えの利益は失われる。

四 保安林指定解除処分に伴う立木竹の伐採後の跡地利用によつて生ずる利益侵害の危険は、右解除処分取消訴訟の原告適格を基礎づけるものではない。(一につき意見、三に関連した反対意見がある。)

『乙と表示のある上告人らの原告適格の基礎は、本件保安林指定解除処分に基づく立木竹の伐採に伴う理水機能の低下の影響を直接受ける点において右保安林の存在による洪水や渇水の防止上の利益を侵害されているところにあるのであるから、本件におけるいわゆる代替施設の設置によつて右の洪水や渇水の危険が解消され、その防止上からは本件保安林の存続の必要性がなくなつたと認められるに至つたときは、もはや乙と表示のある上告人らにおいて右指定解除処分の取消しを求める訴えの利益は失われるに至つたものといわざるをえないのである。』


【試験テクニック】✨

過去の各種試験,国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験),行政書士試験では頻繁に出題されている,いわゆる「長沼ナイキ基地訴訟」,この判例は,「原告適格」を有するかが問われる問題,上記【裁判要旨一,二】が頻繁に出題されていました🌸 行政書士試験では,上記【裁判要旨三】が問われています。

ところで,知らない判例の「試験テクニック」一つとして,日本語の「~としても」に注意することです。問題を作成する側として,どうしても誤り問題を作る側としては,「~としても」という表現になってしまうのでしょう・・ただし,絶対とは言えないので,勉強することに間違いないです✨

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長沼ナイキ基地訴訟【 昭和57年9月9日,最高裁判所第1小法廷】
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