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行政書士試験過去問 違法性相対説(違法性二元論)【平成5年3月11日】

【平成28年出題】
【問題】行政処分の取消訴訟において、処分取消判決が確定したときであっても、同一処分に関する国家賠償訴訟において、被告は、当該処分を行ったことが国家賠償法上は違法ではないと主張することは許される。

【平成5年3月11日,最高裁判所第一小法廷,】

【判事事項】

収入金額を確定申告の額より増額しながら必要経費の額を確定申告の額のままとしたため所得金額を過大に認定した所得税の更正が国家賠償法上違法でないとされた事例


【裁判要旨】

税務署長が収入金額を確定申告の額より増額しながら必要経費の額を確定申告の額のままとして所得税の更正をしたため、所得金額を過大に認定する結果となったとしても、確定申告の必要経費の額を上回る金額を具体的に把握し得る客観的資料等がなく、また、納税義務者において税務署長の行う調査に協力せず、資料等によって確定申告の必要経費が過少であることを明らかにしないために、右の結果が生じたなど判示の事実関係の下においては、右更正につき国家賠償法1条1項にいう違法があったということはできない。


〇 ポイント,国家賠償法と取消訴訟とでは,「違法性」の内容が異なることを「違法性相対説(違法性二元論)」という。違法性一元論と違法性二元論が対立していたが,判例は違法性相対説(違法性二元論)」を採用!