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行政書士試験過去問 法令における通常の用語法等

【平成26年行政書士試験出題】

【問題】法令における通常の用語法等に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

1 「及び」と「並びに」は、いずれもその前後の語句を並列させる接続語であり、 並列される語句に段階がある場合には、一番小さな並列的連結にだけ「及び」を用い、他の大きな並列的連結には全て「並びに」を用いる。

2 「又は」と「若しくは」は、いずれも前後の語句を選択的に連結する接続語であり、選択される語句に段階がある場合には、一番大きな選択的連結にだけ「又は」を用い、他の小さな選択的連結には全て「若しくは」を用いる。

3 法令に「A、Bその他のX」とある場合には、AとBは、Xの例示としてXに包含され、「C、Dその他Y」とある場合は、C、D、Yは、並列の関係にある。

4 法令に「適用する」とある場合は、その規定が本来の目的としている対象に対して当該規定を適用することを意味し、「準用する」とある場合は、他の事象に関す る規定を、それに類似する事象について必要な修正を加えて適用することを意味する。なお、解釈により準用と同じことを行う場合、それは「類推適用」と言われる。

5 「遅滞なく」、「直ちに」、「速やかに」のうち、時間的即時性が最も強いのは「直ちに」であり、その次が「遅滞なく」である。これらのうち、時間的即時性が最も弱いのは「速やかに」である。


【試験ポイント】✨

正解肢の定義で理解することがコツ!


【「及び」と「並びに」】
「及び」と「並びに」は、いずれもその前後の語句を並列させる接続語であり、 並列される語句に段階がある場合には、一番小さな並列的連結にだけ「及び」を用い、他の大きな並列的連結には全て「並びに」を用いる。

【「又は」と「若しくは」】
「又は」と「若しくは」は、いずれも前後の語句を選択的に連結する接続語であり、選択される語句に段階がある場合には、一番大きな選択的連結にだけ「又は」を用い、他の小さな選択的連結には全て「若しくは」を用いる。

【憲法】↓

第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
②強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
③何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。


【地方自治法(改正対応)】↓

第175条 都道府県の支庁若しくは地方事務所又は市町村の支所の長は、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員をもつて充てる。


【その他の】
「A、Bその他のX」の場合、AとBは、Xの例示としてXに包含。「包括的全体」の関係!分かりやすい例として,国家賠償法2条1項,「道路,河川その他の公の営造物」

国家賠償法↓

第2条 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。


憲法↓

第63条 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。


国会法(改正対応)↓

第96条 両院協議会は、内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人の出席を要求することができる。


【「その他」】
「C、Dその他Y」とある場合は、C、D、Yは、並列の関係にあるのが原則。

【「適用する」】
法令に「適用する」とある場合は、その規定が本来の目的としている対象に対して当該規定を適用することを意味,すなわち現実に作用すること。

【「準用する」】
「準用する」とある場合は、他の事象に関する規定を、それに類似する事象について必要な修正を加えて適用することを意味。

【「類推適用」】
解釈により準用と同じことを行う場合、それは「類推適用」と言われる。

【時間的即時性が強い順】↓

【直ちに】(一切の遅延が許されないものと解されている)

【速やかに】

【遅滞なく】

よって,解答は5


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平成22年11月30日付け内閣法制局長官決定「法令における 漢字使用等について」は,こちら