行政書士試験過去問民法 判例 附款 条件が成就した場合の効果
【判事事項】
一 条件が債務者の意思のみにかかる停止条件附法律行為にはあたらない一事例
二 売買契約後の貨幣価値の著しい変動と代金額の修正
【裁判要旨】
一 鉱業権の売買契約において、買主が排水探鉱の結果品質良好と認めたときは代金を支払い、品質不良と認めたときは代金を支払わない旨を約しても、右売買契約は、民法第134条にいわゆる条件が単に債務者の意思のみにかかる停止条件附法律行為とはいえない。
二 売買契約成立後貨幣価値が著しく変動しても、それだけで代金額が当然修正されるものと解すべきではない。
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【判事事項】
条件の成就によって利益を受ける当事者が故意に条件を成就させたときと民法130条の類推適用
【裁判要旨】
条件の成就によって利益を受ける当事者が故意に条件を成就させたときは、民法130条の類推適用により、相手方は条件が成就していないものとみなすことができる。
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【判事事項】
一 農地の売買契約において「知事の許可を得ることを条件とする」ことの意義
二 農地の売主が故意に知事の許可を得ることを妨げた場合と民法第130条の類推適用の有無
【裁判要旨】
一 知事の許可を得ることを条件として農地の売買契約をしたとしても、いわゆる停止条件を附したものということはできない。
二 農地の売主が故意に知事の許可を得ることを妨げたとしても、買主は条件を成就したものとみなすことはできない。
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【試験ポイント】✨
ア〇 第127条(条件が成就した場合の効果)3項『当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。』
イ✖【昭和31年4月6日,最高裁判所第二小法廷,鉱業権移転登録手続請求】
ウ✖ 第130条(条件の成就の妨害等)1項,2項,【平成6年5月31日,最高裁判所第三小法廷,執行文付与に対する異議】
エ〇【昭和36年5月26日,最高裁判所第二小法廷,農地売買契約無効確認等請求】
オ✖ 判例によると「出世払い」は期限です(大判大4年3月24日)。
第127条(条件が成就した場合の効果)
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
3 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。
第130条(条件の成就の妨害等)
条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。
2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。
第134条(随意条件)
停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。