行政書士試験過去問民法改正【養子】特別養子関係(民法改正ポイント)
ポイント1「養子候補者の上限年齢の引上げ」
【改正後】
(1)審判申立時における上限年齢(新民法第817条の5第1項前段・第2項)
【原則】特別養子縁組の成立の審判の申立ての時に15歳未満であること。
【例外】15歳以上でも可能な場合
①15歳に達する前から養親候補者が引き続き養育
②やむを得ない事由により15歳までに申立てできず
※ 15歳以上の者は自ら普通養子縁組をすることができることを考慮して15歳を基準としたもの。
(2)審判確定時における上限年齢(新民法第817条の5第1項後段)
審判確定時に18歳に達している者は,縁組不可。
(3)養子候補者の同意(新民法第817条の5第3項)
養子候補者が審判時に15歳に達している場合には,その者の同意が必要。
(15歳未満の者についても,その意思を十分に考慮しなければならない。)
第817条の2(特別養子縁組の成立)
家庭裁判所は、次条から第817条の7までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。
2 前項に規定する請求をするには、第794条又は第798条の許可を得ることを要しない。
第817条の3(養親の夫婦共同縁組)
養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。
2 夫婦の一方は、他の一方が養親とならないときは、養親となることができない。ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は、この限りでない。
第817条の4(養親となる者の年齢)
25歳に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が25歳に達していない場合においても、その者が20歳に達しているときは、この限りでない。
第817条の5(養子となる者の年齢)
第817条の2に規定する請求の時に15歳に達している者は、養子となることができない。特別養子縁組が成立するまでに18歳に達した者についても、同様とする。
2 前項前段の規定は、養子となる者が15歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、15歳に達するまでに第817条の2に規定する請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、適用しない。
3 養子となる者が15歳に達している場合においては、特別養子縁組の成立には、その者の同意がなければならない。
第817条の6(父母の同意)
特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。
第817条の7(子の利益のための特別の必要性)
特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。
第817条の8(監護の状況)
特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を6箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。
2 前項の期間は、第817条の2に規定する請求の時から起算する。ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。
第817条の9(実方との親族関係の終了)
養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。ただし、第817条の3第2項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。
第817条の10(特別養子縁組の離縁)
次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
一 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
二 実父母が相当の監護をすることができること。
2 離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。
第817条の11(離縁による実方との親族関係の回復)
養子と実父母及びその血族との間においては、離縁の日から、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係を生ずる。