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行政書士試験過去問判例【一問一答】大阪市屋外広告物条例違反

【令和2年出題】
【問題】表現内容中立規制とは、表現が伝達しようとするメッセージの内容には直接関係なく行われる規制であり、学校近くでの騒音の制限、一定の選挙運動の制限などがその例である。

【昭和43年12月18日,最高裁判所大法廷,大阪市屋外広告物条例違反】

【判事事項】

昭和31年大阪市条例第39号大阪市屋外広告物条例第13条第1号第4条第2項第1号第3項第1号と憲法第21条


【裁判要旨】

昭和31年大阪市条例第39号大阪市屋外広告物条例第13条第1号、第4条第2項第1号、第3項第1号は、憲法第21条に違反しない。

右論旨を検討すると、前記大阪市屋外広告物条例は、屋外広告物法(昭和24年法律第189号)に基づいて制定されたもので、右法律と条例の両者相待つて、大阪市における美観風致を維持し、および公衆に対する危害を防止するために屋外広告物の表示の場所および方法ならびに屋外広告物を掲出する物件の設置および維持について必要な規制をしているのであり、本件印刷物の貼付が所論のように営利と関係のないものであるとしても、右法律および条例の規制の対象とされているものと解すべきところ(屋外広告物法1条、2条、大阪市屋外広告物条例1条)、被告人らのした橋柱、電柱、電信柱にビラをはりつけた本件各所為のごときは、都市の美観風致を害するものとして規制の対象とされているものと認めるのを相当とする。そして、国民の文化的生活の向上を目途とする憲法の下においては、都市の美観風致を維持することは、公共の福祉を保持する所以であるから、この程度の規制は、公共の福祉のため、表現の自由に対し許された必要且つ合理的な制限と解することができる。従つて、所論の各禁止規定を憲法に違反するものということはできず(当裁判所昭和24年(れ)第2591号同25年9月27日大法廷判決、刑集4巻9号1799頁、昭和28年(あ)第4030号同30年3月30日 大法廷判決、刑集9巻3号635頁、昭和28年(あ)第3147号同30年4月6日大法廷判決、刑集9巻4号819頁、昭和28年(あ)第1713号同32年3月13日大法廷判決、刑集11巻3号997頁、昭和37年(あ)第899号同39年11月18日大法廷判決、刑集18巻9号561頁参照)、右と同趣旨に出た原判決の判断は相当であつて、論旨は理由がない。


解答〇