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行政書士試験民法改正【第659条(無報酬の受寄者の注意義務)】

【新民法】

第659条(無報酬の受寄者の注意義務)
無報酬の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。

第400条(特定物の引渡しの場合の注意義務)
債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。


【旧民法】↓

第400条(特定物の引渡しの場合の注意義務)
債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。

民法第659条(無償受寄者の注意義務)
無報酬で寄託を受けた者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。 


民法(債権関係)の改正に関する検討事項(12)詳細版引用↓

『(補足説明)
受寄者に要求される注意義務の程度については,民法第659条が,無償受寄者について,自己の財産に対するのと同一の注意義務で足りる旨を定めている。他方,有償受寄者については,寄託に固有の規定は置かれていないので同法第400条が適用され,受寄者は善管注意義務を負うことになる。民法上,無償寄託の注意義務の程度が有償寄託よりも軽減されているのは,無償寄託が好意契約であることを考慮したものであると言われている。このように有償寄託と無償寄託とで注意義務に差を設けていることについては,特に異論は見られず,規律を明確化する観点から,有償寄託の場合についても寄託に固有の規定を設けるべきであるという考え方が提示されている。また,このように有償寄託と無償寄託のそれぞれの注意義務を明記することには,受寄者が負う保管義務の内容が,一定の注意義務を尽くすという手段債務であることを明確にするという意義があるとも言われている。このような考え方について,どのように考えるか。なお,寄託における受寄者の注意義務に関しては,商法第593条に特則が置かれているところ,この商法の規律を「事業者」の「経済事業の範囲内」に関するものに改めた上で,その規定を民法に置くべきであるという提言がある。』