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行政書士試験民法改正【第606条(賃貸人による修繕等)】

【新民法(改正後)】

第606条(賃貸人による修繕等)
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない
2 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。


【改正なし】↓

第615条(賃借人の通知義務)
賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでない。


【出典:民法(債権関係)の改正に関する検討事項(11)詳細版】

『(補足説明)
賃貸人は,目的物の修繕義務を負うこととされ(旧民法第606条1項),賃借人も,賃借物が修繕を要する場合には,遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならないこととされている(同法第615条)。賃借人に通知義務が課された理由は,賃貸人は,通常,賃貸物の修繕が必要であることに気付く契機がなく,修繕が必要な場合に賃借人が通知をせずに放置すれば,賃借物が荒廃して賃貸人は損害を被ることになるためであるなどと説明されている。賃借人がこの通知義務に違反した場合の効果について,民法は特別な規定を置いていないところ,まず,賃貸人の修繕義務違反が問題とされる場面では,債務不履行に基づく賃貸人の損害賠償責任の額の算定に当たって,賃借人の通知義務の違反が考慮されることになると解されている。このことは,損害賠償の範囲に関する一般則から導くことが可能であるし,また,債権者の損害軽減義務(部会資料5-1「第2 5過失相殺(民法第418条)」)について新たに規定を設けるとすれば,そこからも導かれるところであるが,確認のために,その旨を条文上明記すべきであるという考え方が提示されている。
他方,賃借人が通知義務に違反した場合には,賃借人が債務不履行に基づく損害賠償義務を負うことがあり得る。契約上の義務として規定されている以上,賃借人の義務違反によって賃貸人が損害を被った場合に,賃貸人が損害賠償を請求することができるのは当然のことであるが,修繕をめぐる法律関係は一般的には賃借人の権利として説明されることが多いことから,この点についても確認のため,条文上明記すべきであるとの考え方が提示されている。
また,以上のように通知義務違反の効果を明記することと併せて,通知義務の要件についても,単に「修繕を要するとき」ではなく,「修繕を要することを知ったとき」とすべきであるとの考え方が示されている。 以上のような考え方について,どのように考えるか。』


民法(債権関係)の改正に関する検討事項(11)詳細版,こちら