行政書士記述試験過去問 書面によらない贈与
【平成30年行政書士試験出題】
【問題】甲自動車(以下「甲」という。)を所有するAは、別の新車を取得したため、友人であるBに対して甲を贈与する旨を口頭で約し、Bも喜んでこれに同意した。しかしながら、Aは、しばらくして後悔するようになり、Bとの間で締結した甲に関する贈与契約をなかったことにしたいと考えるに至った。甲の引渡しを求めているBに対し、Aは、民法の規定に従い、どのような理由で、どのような法的主張をすべきか。40字程度で記述しなさい。なお、この贈与契約においては無効および取消しの原因は存在しないものとする。
【試験ポイント】✨
第550条(書面によらない贈与の解除)の条文を問う基礎的な問題です!「書面によらない贈与」は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
「書面によらない贈与」=解除できる。
ただし,履行の終わった部分は解除できない。
【要約】
『Aは,Bとの間で締結した甲に関する贈与契約をなかったことにしたい。引渡しを求めているBに対し、Aは,民法の規定に従い,どのような理由で,どのような法的主張をすべきか。』
【解答例】
書面によらない贈与であるため,履行が終了していないことを理由として契約を撤回できる。
【民法(改正対応)】↓
第549条(贈与)
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
第550条(書面によらない贈与の解除)
書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
第551条(贈与者の引渡義務等)
贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。
2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。