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国家公務員試験の総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)【昭和50年5月29日,最高裁判所第1小法廷】

受験生の皆さん,こんにちは。気がつけば,もうすぐ3月ですね。勉強の方は進んでいますか。国家公務員試験の総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)は,3月から「受付」がはじまりますので,くれぐれもお間違いないように🌸


群馬中央バス事件【昭和50年5月29日,最高裁判所第1小法廷】,詳しくはこちら,一般乗合旅客自動車運送事業の免許申請却下処分取消請求


【判示事項】

一、一般乗合旅客自動車運送事業の免許に関し運輸審議会の公聴会が開催された場合における陸運局長の聴聞手続の瑕疵と運輸大臣の処分の適法性


二、諮問を経て行政処分がされるべき場合における当該諮問機関の審理、決定、(答

中)の過程の違法と右行政処分の適法性


三、一般乗合旅客自動車運送事業の免許両関する運輸審議会の公聴会における審理手続


四、一般乗合旅客自動車運送事業の免許に関し諮問を受けた運輸審議会の公聴会における審理手続の瑕疵が右諮問を経てされた運輸大臣の免許の拒否処分の取消事由にならないとされた事例


【裁判要旨】

一、一般乗合旅客自動車運送事業の免許に関し運輸審議会の公聴会が開催された場合には、陸運局長の聴聞手続の瑕疵は、免許の許否に関する運輸大臣の処分の適法性に影響を与えない。


二、諮問の経由を必要とする行政処分が諮問を経てされた場合においても、当該諮問機関の審理、決定(答申)の過程に重大な法規違反があることなどによりその決定(答申)自体に法が右諮問機関に対する諮問を経ることを要求した趣旨に反すると認められるような瑕疵があるときは、右行政処分は、違法として取消を免れない。


三、一般乗合旅客自動車運送事業の免許に関する運輸審議会の公聴会における審理手続は、運輸審議会の客観性のある適正かつ公正な決定(答申)の保障のために公聴会審理を要求する法の趣旨に従い、申請者その他の利害関係人に対し決定(答申)の基礎となる諸事項に関する諸般の証拠その他の賃料と意見を十分に提出してこれを運輸審議会の決定(答申)に反映させることを実質的に可能ならしめるようなものでなければならない。


四、一般乗合旅客自動車運送事業の免許に関し諮問を受けた運輸審議会の公聴会における審理手続に申請計画の問題点につき申請者に主張・立証の機会を十分に与えなかつたという瑕疵がある場合においても、仮に運輸審議会がこのような機会を与えたとしても申請者において運輸審議会の認定判断を左右するに足りる資料及び意見を提出しうる可能性があつたとは認め難い判示のような事情があるときは、右瑕疵は、右諮問を経てされた運輸大臣の免許の拒否処分を違法として取り消す事由とはならない。


『一般に、行政庁が行政処分をするにあたつて、諮問機関に諮問し、その決定を尊重して処分をしなければならない旨を法が定めているのは、処分行政庁が、諮問機関の決定(答申)を慎重に検討し、これに十分な考慮を払い、特段の合理的な理由のないかぎりこれに反する処分をしないように要求することにより、当該行政処分の客観的な適正妥当と公正を担保することを法が所期しているためであると考えられるから、かかる場合における諮問機関に対する諮問の経由は、極めて重大な意義を有するものというべく、したがつて、行政処分が諮問を経ないでなされた場合はもちろん、これを経た場合においても、当該諮問機関の審理、決定(答申)の過程に重大な法規違反があることなどにより、その決定(答申)自体に法が右諮問機関に対する諮問を経ることを要求した趣旨に反すると認められるような瑕疵があるときは、これを経てなされた処分も違法として取消をまぬがれないこととなるものと解するのが相当である。』


【試験ポイント】上記【裁判要旨】2については,過去に国税試験で出題されていますので要注意です✨