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刑法103条「犯人蔵匿罪」を知りたい

『宇佐署員 違反もみ消し 大分中央署員の速度超過 宇佐署員が宇佐市内で5月下旬に速度違反した大分中央署員を摘発せず、もみ消していたことが12日、県警への取材で分かった。署員同士は顔見知りだったという。宇佐署員が関係した書類を破棄していたことも判明しており、県警は犯人隠避や証拠隠滅の疑いで捜査している。大分合同新聞記事一部引用』


捜査・審判・刑の執行という3つの司法作用が適正に行われないと社会秩序が保たれなくなるとして,下記のとおり刑法において「犯人蔵匿(ぞうとく)及び証拠隠滅の罪」として定められている。


(犯人蔵匿等)
第103条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。


(証拠隠滅等)
第104条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。


(親族による犯罪に関する特例)
第105条 前二条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる。


(証人等威迫)
第105条の二 自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。


まず報道の使命として,新聞記事に記載された現職の警察官の「氏名」の報道がなされていないことについて,本件を見ると,「公務員の犯罪」市民による監視が必要な領域であるから行為者の氏名を特定することが肯定されるばかりか,むしろ積極的に氏名を明らかにしなければならない。「もみ消し」をした者がどこの誰かという事実は,公共の利害に関わる事実にあたるといえる。したがって,報道機関は「身内の交通違反のもみ消し」という単なる噂にすぎなかった犯罪が現実に行われていた事実,或いは常習的に行われていた可能性も含めて。最近思うことだが,匿名報道について一般市民の場合には「実名」をさらし,本来「全体の奉仕者」としての公務員の場合は匿名報道がなされないことに矛盾していることに気付かされることが多い・・🎇