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令和7年度 行政書士試験解説 裁判員制度

【令和7年行政書士試験出題】

【問題2】裁判員制度に関する次の記述のうち、裁判員法*の規定に照らし、誤っているものはどれか。

1 裁判員は、衆議院議員の選挙権を有する者の中から、くじその他の作為が加わらない方法で選任される。

2 一定の事由があれば、検察官、被告人または弁護人は、裁判所に対して、選任された裁判員の解任の請求をすることができる。

3 裁判員は、地方裁判所で行われる一定の刑事裁判の訴訟手続に参加する。

4 裁判員の関与する判断は、合議体を構成する裁判官の意見を聞いた上で、裁判員の過半数の意見によって行われる。

5 裁判員が、その関与する判断のための評議の秘密を漏らしたときは、当該裁判員は、刑罰を科される。

(注)* 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律


意外と知らない予備知識↓

欠格事由のある人=一般的に裁判員になることができない人

国家公務員法38条の規定に該当する人(国家公務員になる資格のない人)

義務教育を終了していない人(義務教育を終了した人と同等以上の学識を有する人は除く)

禁錮以上の刑に処せられた人

心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障のある人


就職禁止事由のある人=裁判員の職務に就くことができない人

国会議員,国務大臣,国の行政機関の幹部職員

司法関係者(裁判官,検察官,弁護士など)

大学の法律学の教授,准教授

都道府県知事及び市町村長(特別区長を含む)

自衛官

禁錮以上の刑に当たる罪につき起訴され,その被告事件の終結に至らない人

逮捕又は勾留されている人


事件に関連する不適格事由のある人=その事件について裁判員になることができない人

審理する事件の被告人又は被害者本人,その親族,同居人など

審理する事件について,証人又は鑑定人になった人,被告人の代理人,弁護人等,検察官又は司法警察職員として職務を行った人など


試験ポイント

裁判員制度とはどのような制度か,裁判員裁判の対象事件,裁判員になれない人などの基礎的な知識は,頭に入れておこう!

1〇 裁判員法13条(裁判員の選任資格),第37条(選任決定)

2〇 裁判員法41条(請求による裁判員等の解任)

3〇 裁判員法2条(対象事件及び合議体の構成)

4✖ 裁判員法第67条(評決)第1項「前条第1項の評議における裁判員の関与する判断は、裁判所法第77条の規定にかかわらず、構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見による。」

5〇 裁判員法第79条(裁判員等による秘密漏示罪)


【裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成16年法律第63号)】↓

第1条(趣旨)
この法律は、国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ、裁判員の参加する刑事裁判に関し、裁判所法(昭和22年法律第59号)及び刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の特則その他の必要な事項を定めるものとする。

第2条(対象事件及び合議体の構成)
地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条又は第3条の二の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第26条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
一 死刑又は無期拘禁刑に当たる罪に係る事件
二 裁判所法第26条第2項第二号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)
2 前項の合議体の裁判官の員数は3人、裁判員の員数は6人とし、裁判官のうち1人を裁判長とする。ただし、次項の決定があったときは、裁判官の員数は1人、裁判員の員数は4人とし、裁判官を裁判長とする。
3 第1項の規定により同項の合議体で取り扱うべき事件(以下「対象事件」という。)のうち、公判前整理手続による争点及び証拠の整理において公訴事実について争いがないと認められ、事件の内容その他の事情を考慮して適当と認められるものについては、裁判所は、裁判官1人及び裁判員4人から成る合議体を構成して審理及び裁判をする旨の決定をすることができる。
4 裁判所は、前項の決定をするには、公判前整理手続において、検察官、被告人及び弁護人に異議のないことを確認しなければならない。
5 第3項の決定は、第27条第1項に規定する裁判員等選任手続の期日までにしなければならない。
6 地方裁判所は、第3項の決定があったときは、裁判所法第26条第2項の規定にかかわらず、当該決定の時から第3項に規定する合議体が構成されるまでの間、1人の裁判官で事件を取り扱う。
7 裁判所は、被告人の主張、審理の状況その他の事情を考慮して、事件を第3項に規定する合議体で取り扱うことが適当でないと認めたときは、決定で、同項の決定を取り消すことができる。

第13条(裁判員の選任資格)
裁判員は、衆議院議員の選挙権を有する者の中から、この節の定めるところにより、選任するものとする。

第37条(選任決定)
裁判所は、くじその他の作為が加わらない方法として最高裁判所規則で定める方法に従い、裁判員等選任手続の期日に出頭した裁判員候補者で不選任の決定がされなかったものから、第2条第2項に規定する員数(当該裁判員候補者の員数がこれに満たないときは、その員数)の裁判員を選任する決定をしなければならない。
2 裁判所は、補充裁判員を置くときは、前項の規定により裁判員を選任する決定をした後、同項に規定する方法に従い、その余の不選任の決定がされなかった裁判員候補者から、第26条第1項の規定により決定した員数(当該裁判員候補者の員数がこれに満たないときは、その員数)の補充裁判員を裁判員に選任されるべき順序を定めて選任する決定をしなければならない。
3 裁判所は、前2項の規定により裁判員又は補充裁判員に選任された者以外の不選任の決定がされなかった裁判員候補者については、不選任の決定をするものとする。

第41条(請求による裁判員等の解任)
検察官、被告人又は弁護人は、裁判所に対し、次の各号のいずれかに該当することを理由として裁判員又は補充裁判員の解任を請求することができる。ただし、第七号に該当することを理由とする請求は、当該裁判員又は補充裁判員についてその選任の決定がされた後に知り、又は生じた原因を理由とするものに限る。
一 裁判員又は補充裁判員が、第39条第2項の宣誓をしないとき。
二 裁判員が、第52条若しくは第63条第1項に定める出頭義務又は第66条第2項に定める評議に出席する義務に違反し、引き続きその職務を行わせることが適当でないとき。
三 補充裁判員が、第52条に定める出頭義務に違反し、引き続きその職務を行わせることが適当でないとき。
四 裁判員が、第9条、第66条第4項若しくは第70条第1項に定める義務又は第66条第2項に定める意見を述べる義務に違反し、引き続きその職務を行わせることが適当でないとき。
五 補充裁判員が、第10条第4項において準用する第9条に定める義務又は第70条第1項に定める義務に違反し、引き続きその職務を行わせることが適当でないとき。
六 裁判員又は補充裁判員が、第13条(第19条において準用する場合を含む。)に規定する者に該当しないとき、第14条(第19条において準用する場合を含む。)の規定により裁判員若しくは補充裁判員となることができない者であるとき又は第15条第1項各号若しくは第2項各号若しくは第17条各号(これらの規定を第19条において準用する場合を含む。)に掲げる者に該当するとき。
七 裁判員又は補充裁判員が、不公平な裁判をするおそれがあるとき。
八 裁判員又は補充裁判員が、裁判員候補者であったときに、質問票に虚偽の記載をし、又は裁判員等選任手続における質問に対して正当な理由なく陳述を拒み、若しくは虚偽の陳述をしていたことが明らかとなり、引き続きその職務を行わせることが適当でないとき。
九 裁判員又は補充裁判員が、公判廷において、裁判長が命じた事項に従わず又は暴言その他の不穏当な言動をすることによって公判手続の進行を妨げたとき。
2 裁判所は、前項の請求を受けたときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に規定する決定をし、その余の場合には、構成裁判官の所属する地方裁判所に当該請求に係る事件を送付しなければならない。
一 請求に理由がないことが明らかなとき又は請求が前項ただし書の規定に違反してされたものであるとき 当該請求を却下する決定
二 前項第一号から第三号まで、第六号又は第九号に該当すると認めるとき 当該裁判員又は補充裁判員を解任する決定
3 前項の規定により事件の送付を受けた地方裁判所は、第1項各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該裁判員又は補充裁判員を解任する決定をする。
4 前項の地方裁判所による第1項の請求についての決定は、合議体でしなければならない。ただし、同項の請求を受けた裁判所の構成裁判官は、その決定に関与することはできない。
5 第1項の請求についての決定をするには、最高裁判所規則で定めるところにより、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
6 第2項第二号又は第3項の規定により裁判員又は補充裁判員を解任する決定をするには、当該裁判員又は補充裁判員に陳述の機会を与えなければならない。ただし、第1項第一号から第三号まで又は第九号に該当することを理由として解任する決定をするときは、この限りでない。
7 第1項の請求を却下する決定には、理由を付さなければならない。

第67条(評決)
前条第1項の評議における裁判員の関与する判断は、裁判所法第77条の規定にかかわらず、構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見による。
2 刑の量定について意見が分かれ、その説が各々、構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見にならないときは、その合議体の判断は、構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見になるまで、被告人に最も不利な意見の数を順次利益な意見の数に加え、その中で最も利益な意見による。

第79条(裁判員等による秘密漏示罪)
裁判員又は補充裁判員が、評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 裁判員又は補充裁判員の職にあった者が次の各号のいずれかに該当するときも、前項と同様とする。
一 職務上知り得た秘密(評議の秘密を除く。)を漏らしたとき。
二 評議の秘密のうち構成裁判官及び裁判員が行う評議又は構成裁判官のみが行う評議であって裁判員の傍聴が許されたもののそれぞれの裁判官若しくは裁判員の意見又はその多少の数を漏らしたとき。
三 財産上の利益その他の利益を得る目的で、評議の秘密(前号に規定するものを除く。)を漏らしたとき。
3 前項第三号の場合を除き、裁判員又は補充裁判員の職にあった者が、評議の秘密(同項第二号に規定するものを除く。)を漏らしたときは、50万円以下の罰金に処する。
4 裁判員又は補充裁判員が、構成裁判官又はその被告事件の他の裁判員若しくは補充裁判員以外の者に対し、当該被告事件において認定すべきであると考える事実若しくは量定すべきであると考える刑を述べたとき、又は当該被告事件において裁判所により認定されると考える事実若しくは量定されると考える刑を述べたときも、第1項と同様とする。
5 裁判員又は補充裁判員の職にあった者が、構成裁判官であった者又はその被告事件の他の裁判員若しくは補充裁判員の職にあった者以外の者に対し、当該被告事件の裁判所による事実の認定又は刑の量定の当否を述べたときも、第1項と同様とする。


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