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令和5年行政書士試験過去問解説 行政事件訴訟法の準用規定

【令和5年行政書士試験出題】

【問題】行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)の準用規定に関する次の会話の下線部ア~ウについて、その正誤を判定した組合せとして、正しいものはどれか。


学生A:今日は行訴法の準用に関する規定について学ぼう。

学生B:準用については主として行訴法38条に定められているけど、他の条文でも定められているよね。まずは出訴期間について定める行訴法14条から。

学生A:行訴法14条については、(ア)無効等確認訴訟にも、その他の抗告訴訟にも準用されていない。訴訟の性質を考えれば当然のことだよ。

学生B:よし、それでは、執行停止について定める行訴法25条はどうだろう。

学生A:行訴法25条は(イ)義務付け訴訟や差止訴訟には準用されていない。でも、当事者訴訟には準用されているのが特徴だね。

学生B:なるほど、当事者訴訟にも仮の救済が用意されているんだね。最後に、第三者効について定める行訴法32条はどうだろう。

学生A:「処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する」という規定だね。(ウ)これは義務付け訴訟にも差止訴訟にも準用されている。義務付け判決や差止め判決の実効性を確保するために必要だからね。


1 (ア)正しい (イ)誤り  (ウ)正しい

2 (ア)正しい (イ)誤り  (ウ)誤り

3 (ア)誤り  (イ)正しい (ウ)誤り

4 (ア)誤り  (イ)誤り  (ウ)正しい

5 (ア)誤り  (イ)誤り  (ウ)誤り


【行政事件訴訟法(改正対応)】↓

第41条(抗告訴訟に関する規定の準用)
第23条、第24条、第33条第1項及び第35条の規定は当事者訴訟について、第23条の二の規定は当事者訴訟における処分又は裁決の理由を明らかにする資料の提出について準用する。
2 第13条の規定は、当事者訴訟とその目的たる請求と関連請求の関係にある請求に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合における移送に、第16条から第19条までの規定は、これらの訴えの併合について準用する。

第四章 民衆訴訟及び機関訴訟
第42条(訴えの提起)
民衆訴訟及び機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。

第43条(抗告訴訟又は当事者訴訟に関する規定の準用)
民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の取消しを求めるものについては、第9条及び第10条第1項の規定を除き、取消訴訟に関する規定を準用する。
2 民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の無効の確認を求めるものについては、第36条の規定を除き、無効等確認の訴えに関する規定を準用する。
3 民衆訴訟又は機関訴訟で、前2項に規定する訴訟以外のものについては、第39条及び第40条第1項の規定を除き、当事者訴訟に関する規定を準用する。


【試験ポイント】✨

取消訴訟以外に準用されていないもの3つ①14条(出訴期間)②31条(特別の事情による請求の棄却)③32条(第三者効),重要ポイント記事は,こちら
ア〇 取消訴訟以外に準用されていないもの3つ①14条(出訴期間)②31条(特別の事情による請求の棄却)③32条(第三者効)
イ✖当事者訴訟(4条),民衆訴訟(5条),機関訴訟(6条)には,執行停止に関する規定は準用されない(41条・43条)。
ウ✖ 取消訴訟以外に準用されていないもの3つ①14条(出訴期間)②31条(特別の事情による請求の棄却)③32条(第三者効)
解答2