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令和3年行政書士試験 行政事件訴訟法 過去問解説 重大な損害 償うことのできない損害

【令和3年行政書士試験出題】

【問題】次に掲げる行政事件訴訟法の条文の空欄ア~オに当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。


第25条第2項 処分の取消しの訴えの提起があった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずるを避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止・・(略)・・・をすることができる。(以下略)

第36条 無効等確認の訴えは、当該処分又は裁決に続く処分によりを受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とするに関する訴えによって目的を達することができないものに限り、提起することができる。

第37条の2 第3条第6項第1号に掲げる場合〔直接型ないし非申請型義務付け訴訟〕において、義務付けの訴えは、一定の処分がされないことによりを生ずるおそれがあり、かつ、そのを避けるため他に適当な方法がないとき に限り、提起することができる。


【試験ポイント】✨

条文の穴埋め問題対策として,出題された箇所だけでなくその前後関係の条文も一緒に覚えましょう。そうすることによって,記憶力の定着と応用力の変化球にも対応できるようになりますよ。

論外なお話しですが,仮に行政事件訴訟法を無弁であったとしても,正解に導けます・・

【重大な損害】という文言を使用している法律を検索したら21件もヒットしました😊 関税定率法,警察官職務執行法,森林法,海上保安庁法・・

【償うことのできない損害】については,行政事件訴訟法1件のみでした🌸

とすれば,今回は出題されていませんが行政事件訴訟法37条の5(仮の義務付け及び仮の差止め)の条文もターゲットですね。


【行政事件訴訟法(改正対応)】↓

第25条(執行停止)
処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
2 処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。ただし、処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によつて目的を達することができる場合には、することができない。
3 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
4 執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。
5 第2項の決定は、疎明に基づいてする。
6 第2項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。ただし、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならない。
7 第2項の申立てに対する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
8 第2項の決定に対する即時抗告は、その決定の執行を停止する効力を有しない。


第36条(無効等確認の訴えの原告適格)
無効等確認の訴えは、当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り、提起することができる。


第37条の2(義務付けの訴えの要件等)
第3条第6項第1号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる。
2 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
3 第1項の義務付けの訴えは、行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。
4 前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第9条第2項の規定を準用する。5 義務付けの訴えが第1項及び第3項に規定する要件に該当する場合において、その義務付けの訴えに係る処分につき、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をする。


第37条の5(仮の義務付け及び仮の差止め)
義務付けの訴えの提起があつた場合において、その義務付けの訴えに係る処分又は裁決がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、仮に行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずること(以下この条において「仮の義務付け」という。)ができる。
2 差止めの訴えの提起があつた場合において、その差止めの訴えに係る処分又は裁決がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、仮に行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずること(以下この条において「仮の差止め」という。)ができる。
3 仮の義務付け又は仮の差止めは、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、することができない。
4 第25条第5項から第8項まで、第26条から第28条まで及び第33条第1項の規定は、仮の義務付け又は仮の差止めに関する事項について準用する。
5 前項において準用する第25条第7項の即時抗告についての裁判又は前項において準用する第26条第1項の決定により仮の義務付けの決定が取り消されたときは、当該行政庁は、当該仮の義務付けの決定に基づいてした処分又は裁決を取り消さなければならない。