大分県行政書士事務所 一度「単純承認」したが,あらためて「相続放棄」をすることができるのか。
Q
一度「単純承認」したが,あらためて「相続放棄」をすることができるのか。
A できません。
※ 特に「詐欺」などの理由で「相続放棄」をしてしまった場合,取消しのできる権利は追認することができる権利(相続放棄の申述をしたことを知ったとき)から「6ヶ月」,または「相続放棄の申述をした」時から「10年間」で時効により消滅しますので,「詐欺」などの理由がある場合は,直ちに「弁護士」に相談することが重要です。
【新民法(改正対応)】
第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)
相続人は,自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に,相続について,単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし,この期間は,利害関係人又は検察官の請求によって,家庭裁判所において伸長することができる。
2 相続人は,相続の承認又は放棄をする前に,相続財産の調査をすることができる。
第919条(相続の承認及び放棄の撤回及び取消し)
相続の承認及び放棄は,第915条第1項の期間内でも,撤回することができない。
2 前項の規定は,第1編(総則)及び前編(親族)の規定により相続の承認又は放棄の取消しをすることを妨げない。
3 前項の取消権は,追認をすることができる時から6箇月間行使しないときは,時効によって消滅する。相続の承認又は放棄の時から10年を経過したときも,同様とする。
4 第2項の規定により限定承認又は相続の放棄の取消しをしようとする者は,その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
第921条(法定単純承認)
次に掲げる場合には,相続人は,単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし,保存行為及び第602条に定める期間を超えない賃貸をすることは,この限りでない。
二 相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が,限定承認又は相続の放棄をした後であっても,相続財産の全部若しくは一部を隠匿し,私にこれを消費し,又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし,その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は,この限りでない。