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行政書士試験過去問 監査役の選任および解任

【平成27年行政書士試験出題】

【問題】種類株式発行会社ではない取締役会設置会社で、複数の監査役が選任されている監査役設置会社の監査役の選任および解任に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。なお、定款には別段の定めがないものとする。

1 監査役を選任するには、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が株主総会に出席し、出席した当該株主の議決権の過半数の決議をもって行わなければならない。

2 代表取締役が監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役全員の同意を得なければならない。

3 監査役は、取締役に対して、監査役の選任を株主総会の目的とすること、または監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。

4 監査役を解任するには、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が株主総会に出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数の決議をもって行わなければならない。

5 監査役は、株主総会に当該監査役の解任議案が提出された場合のほか、他の監査役の解任議案が提出された場合も、株主総会において、当該解任について意見を述べることができる。


【解任決議の要件:監査役】

【ポイント】

特別決議(341条,309条2項7号,343条4項)


【株主総会の決議の種類の条文】

【普通決議】309条1項

【特別決議】309条2項

【特殊決議】309条3項・4項


【昭和43年12月24日,株式会社変更登記申請却下処分取消請求】

【判事事項】

株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合と退任による変更登記


【裁判要旨】

株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合においては、右退任による変更登記は、あらたに選任された取締役または監査役の就職するまで許されない。


【試験ポイント】✨

1〇 会社法第341条(役員の選任及び解任の株主総会の決議)

2✖ 会社法第343条(監査役の選任に関する監査役の同意等)『取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。』,したがって過半数の同意。

3〇 会社法第343条(監査役の選任に関する監査役の同意等)2項

4〇 会社法第309条(株主総会の決議)2項7号

5〇 会社法第345条(会計参与等の選任等についての意見の陳述)1項・4項


【会社法(改正対応)】↓

第309条(株主総会の決議)
株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
一 第140条第2項及び第5項の株主総会
二 第156条第1項の株主総会(第160条第1項の特定の株主を定める場合に限る。)
三 第171条第1項及び第175条第1項の株主総会
四 第180条第2項の株主総会
五 第199条第2項、第200条第1項、第202条第3項第4号、第204条第2項及び第205条第2項の株主総会
六 第238条第2項、第239条第1項、第241条第3項第4号、第243条第2項及び第244条第3項の株主総会
七 第339条第1項の株主総会(第342条第3項から第5項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。)
八 第425条第1項の株主総会
九 第447条第1項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。)
イ 定時株主総会において第447条第1項各号に掲げる事項を定めること。
ロ 第447条第1項第1号の額がイの定時株主総会の日(第439条前段に規定する場合にあっては、第436条第3項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。
十 第454条第4項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第1号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)
十一 第6章から第8章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
十二 第5編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
3 前2項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会
二 第783条第1項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。)
三 第804条第1項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。)
4 前3項の規定にかかわらず、第109条第2項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の4分の3(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第298条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第316条第1項若しくは第2項に規定する者の選任又は第398条第2項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。

第341条(役員の選任及び解任の株主総会の決議)
第309条第1項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。

第343条(監査役の選任に関する監査役の同意等)
取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。
2 監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。
3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。
4 第341条の規定は、監査役の解任の決議については、適用しない。

第345条(会計参与等の選任等についての意見の陳述)
会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。
2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。
3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第298条第1項第1号に掲げる事項を通知しなければならない。
4 第1項の規定は監査役について、前2項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。この場合において、第1項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。
5 第1項の規定は会計監査人について、第2項及び第3項の規定は会計監査人を辞任した者及び第340条第1項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。この場合において、第1項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第2項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。