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行政書士試験一般知識過去問 2017年11月から始まった新しい外国人技能実習制度

【平成30年行政書士試験出題】

【問題】2017年11月から始まった新しい外国人技能実習制度に関する次のア〜オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 新しい制度が導入されるまでは、外国人の技能実習制度は、専ら外国人登録法による在留資格として定められていた。

イ 技能実習の適正な実施や技能実習生の保護の観点から、監理団体の許可制や技能実習計画の認定制が新たに導入された。

ウ 優良な監理団体・実習実施者に対しては、実習期間の延長や受入れ人数枠の拡大などの制度の拡充が図られた。

エ 外国人技能実習制度の円滑な運営および適正な拡大に寄与する業務を、国際協力機構(JICA)が新たに担うことが定められた。

オ 外国人技能実習制度の適正な実施および外国人技能実習生の保護に関する業務を行うため、外国人技能実習機構(OTIT)が新設された。


1 ア・エ

2 ア・オ

3 イ・ウ

4 イ・エ

5 ウ・オ


【外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の概要】↓

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るため、技能実習に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、技能実習計画の認定及び監理団体の許可の制度を設け、これらに関する事務を行う外国人技能実習機構を設ける等の所要の措置を講ずる。※ 法務省及び厚生労働省で共管


1 技能実習制度の適正化

(1)技能実習の基本理念及び関係者の責務規定を定めるとともに、技能実習に関し基本方針を策定する。【第3条から第7条まで関係】

(2)技能実習生ごとに作成する技能実習計画について認定制とし、技能実習生の技能等の修得に係る評価を行うことなどの認定の基準や認定の欠格事由のほか、報告徴収、改善命令、認定の取消し等を規定する。【第8条から第16条まで関 係】

(3)実習実施者について、届出制とする。【第17条及び第18条関係】

(4)監理団体について、許可制とし、許可の基準や許可の欠格事由のほか、遵守事項、報告徴収、改善命令、許可の取消し等を規定する。【第23条から第45条まで関係】

(5)技能実習生に対する人権侵害行為等について、禁止規定を設け違反に対する所要の罰則を規定するとともに、技能実習生に対する相談や情報提供、技能実習生の転籍の連絡調整等を行 うことにより、技能実習生の保護等に関する措置を講ずる。【第46条から第51条まで関係】

(6)事業所管大臣等に対する協力要請等を規定するとともに、地域ごとに関係行政機関等による地域協議会を設置する。【第53条から第56条まで関係】

(7)外国人技能実習機構を認可法人として新設し、【第3章関係】

・(2)の技能実習計画の認定【第12条関係】

・(2)の実習実施者・監理団体に報告を求め、実地に検査【第14条関係】

・(3)の実習実施者の届出の受理【第18条関係】

・(4)の監理団体の許可に関する調査【第24条関係】等を行わせるほか、技能実習生に対する相談・援助等を行う。【第87条関係】


2.技能実習制度の拡充

優良な実習実施者・監理団体に限定して、第3号技能実習生の受入れ(4~5年目の技能実習の実施)を可能とする。【第2条、第9条、第23条及び第25条関係】


3 その他

技能実習の在留資格を規定する出入国管理及び難民認定法の改正を行うほか、所要の改正を行う。

施行日 平成29年11月1日

公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日 ただし、外国人技能実習機構の設立規定については、公布の日(平成28年11月28日)


【試験ポイント】✨

ア✖ 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(2017年11月1日)施行される前は,出入国管理及び難民認定法(昭和26年10月4日政令第319号)で定められていた。

イ〇 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律8条,23条

ウ〇 優良な実習実施者・監理団体に限定して、第3号技能実習生の受入れ(4~5年目の技能実習の実施)を可能とする。【第2条、第9条、第23条及び第25条関係】

エ✖ 国際協力機構(JICA)ではなく,JITCO(ジツコ)

※ 2020年4月1日に法人名称を「国際人材協力機構」に変更し、英語表記についても、従来の「JapanInternational Training Cooperation Organization」から「Japan International Trainee & Skilled Worker Cooperation Organization」に変更。

オ〇 外国人技能実習機構(Organization for Technical Intern Training)とは,技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図り,もって人材育成を通じた開発途上地域等への技能等の移転による国際協力を推進することを目的とした組織。



【外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律】(改正対応)↓

第2条(定義)
この法律において「技能実習」とは、企業単独型技能実習及び団体監理型技能実習をいい、「技能実習生」とは、企業単独型技能実習生及び団体監理型技能実習生をいう。
2 この法律において「企業単独型技能実習」とは、次に掲げるものをいう。
一 第1号企業単独型技能実習(本邦の公私の機関の外国にある事業所の職員である外国人(入管法第2条第2号に規定する外国人をいう。以下同じ。)又は本邦の公私の機関と主務省令で定める密接な関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員である外国人が、技能等を修得するため、在留資格(入管法別表第1の2の表の技能実習の項の下欄第1号イに係るものに限る。)をもって、これらの本邦の公私の機関により受け入れられて必要な講習を受けること及び当該機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等に係る業務に従事することをいう。以下同じ。)
二 第2号企業単独型技能実習(第1号企業単独型技能実習を修了した者が、技能等に習熟するため、在留資格(入管法別表第1の2の表の技能実習の項の下欄第2号イに係るものに限る。)をもって、本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等を要する業務に従事することをいう。以下同じ。)
三 第3号企業単独型技能実習(第2号企業単独型技能実習を修了した者が、技能等に熟達するため、在留資格(入管法別表第1の2の表の技能実習の項の下欄第3号イに係るものに限る。)をもって、本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等を要する業務に従事することをいう。以下同じ。)
3 この法律において「企業単独型技能実習生」とは、次に掲げるものをいう。
一 第1号企業単独型技能実習生(第1号企業単独型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
二 第2号企業単独型技能実習生(第2号企業単独型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
三 第3号企業単独型技能実習生(第3号企業単独型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
4 この法律において「団体監理型技能実習」とは、次に掲げるものをいう。
一 第1号団体監理型技能実習(外国人が、技能等を修得するため、在留資格(入管法別表第1の2の表の技能実習の項の下欄第1号ロに係るものに限る。)をもって、本邦の営利を目的としない法人により受け入れられて必要な講習を受けること及び当該法人による実習監理を受ける本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等に係る業務に従事することをいう。以下同じ。)
二 第2号団体監理型技能実習(第1号団体監理型技能実習を修了した者が、技能等に習熟するため、在留資格(入管法別表第1の2の表の技能実習の項の下欄第2号ロに係るものに限る。)をもって、本邦の営利を目的としない法人による実習監理を受ける本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等を要する業務に従事することをいう。以下同じ。)
三 第3号団体監理型技能実習(第二号団体監理型技能実習を修了した者が、技能等に熟達するため、在留資格(入管法別表第1の2の表の技能実習の項の下欄第3号ロに係るものに限る。)をもって、本邦の営利を目的としない法人による実習監理を受ける本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等を要する業務に従事することをいう。以下同じ。)
5 この法律において「団体監理型技能実習生」とは、次に掲げるものをいう。
一 第1号団体監理型技能実習生(第1号団体監理型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
二 第2号団体監理型技能実習生(第2号団体監理型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
三 第3号団体監理型技能実習生(第3号団体監理型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
6 この法律において「実習実施者」とは、企業単独型実習実施者及び団体監理型実習実施者をいう。
7 この法律において「企業単独型実習実施者」とは、実習認定(第8条第1項の認定(第11条第1項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの)をいう。以下同じ。)を受けた第8条第1項に規定する技能実習計画に基づき、企業単独型技能実習を行わせる者をいう。
8 この法律において「団体監理型実習実施者」とは、実習認定を受けた第8条第1項に規定する技能実習計画に基づき、団体監理型技能実習を行わせる者をいう。
9 この法律において「実習監理」とは、団体監理型実習実施者等(団体監理型実習実施者又は団体監理型技能実習を行わせようとする者をいう。以下同じ。)と団体監理型技能実習生等(団体監理型技能実習生又は団体監理型技能実習生になろうとする者をいう。以下同じ。)との間における雇用関係の成立のあっせん及び団体監理型実習実施者に対する団体監理型技能実習の実施に関する監理を行うことをいう。
10 この法律において「監理団体」とは、監理許可(第23条第1項の許可(第32条第1項の規定による変更の許可があったとき、又は第37条第2項の規定による第23条第1項第2号に規定する特定監理事業に係る許可への変更があったときは、これらの変更後のもの)をいう。以下同じ。)を受けて実習監理を行う事業(以下「監理事業」という。)を行う本邦の営利を目的としない法人をいう。

第8条(技能実習計画の認定)
技能実習を行わせようとする本邦の個人又は法人(親会社(会社法(平成17年法律第86号)第2条第4号に規定する親会社をいう。)とその子会社(同条第3号に規定する子会社をいう。)の関係その他主務省令で定める密接な関係を有する複数の法人が技能実習を共同で行わせる場合はこれら複数の法人)は、主務省令で定めるところにより、技能実習生ごとに、技能実習の実施に関する計画(以下「技能実習計画」という。)を作成し、これを出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に提出して、その技能実習計画が適当である旨の認定を受けることができる。
2 技能実習計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 前項に規定する本邦の個人又は法人(以下この条、次条及び第12条第5項において「申請者」という。)の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 法人にあっては、その役員の氏名及び住所
三 技能実習を行わせる事業所の名称及び所在地
四 技能実習生の氏名及び国籍
五 技能実習の区分(第1号企業単独型技能実習、第2号企業単独型技能実習若しくは第3号企業単独型技能実習又は第1号団体監理型技能実習、第2号団体監理型技能実習若しくは第3号団体監理型技能実習の区分をいう。次条第2号において同じ。)
六 技能実習の目標(技能実習を修了するまでに職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第44条第1項の技能検定(次条において「技能検定」という。)又は主務省令で指定する試験(次条及び第52条において「技能実習評価試験」という。)に合格することその他の目標をいう。次条において同じ。)、内容及び期間
七 技能実習を行わせる事業所ごとの技能実習の実施に関する責任者の氏名
八 団体監理型技能実習に係るものである場合は、実習監理を受ける監理団体の名称及び住所並びに代表者の氏名
九 報酬、労働時間、休日、休暇、宿泊施設、技能実習生が負担する食費及び居住費その他の技能実習生の待遇
十 その他主務省令で定める事項
3 技能実習計画には、次条各号に掲げる事項を証する書面その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 団体監理型技能実習を行わせようとする申請者は、実習監理を受ける監理団体(その技能実習計画が第3号団体監理型技能実習に係るものである場合は、監理許可(第23条第1項第1号に規定する一般監理事業に係るものに限る。)を受けた者に限る。)の指導に基づき、技能実習計画を作成しなければならない。
5 申請者は、実費を勘案して主務省令で定める額の手数料を納付しなければならない。

第23条(監理団体の許可)
監理事業を行おうとする者は、次に掲げる事業の区分に従い、主務大臣の許可を受けなければならない。
一 一般監理事業(監理事業のうち次号に掲げるもの以外のものをいう。以下同じ。)
二 特定監理事業(第1号団体監理型技能実習又は第2号団体監理型技能実習のみを行わせる団体監理型実習実施者について実習監理を行う事業をいう。以下同じ。)
2 前項の許可を受けようとする者(第7項、次条及び第25条において「申請者」という。)は、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 名称及び住所並びに代表者の氏名
二 役員の氏名及び住所
三 監理事業を行う事業所の名称及び所在地
四 一般監理事業又は特定監理事業の別
五 第40条第1項の規定により選任する監理責任者の氏名及び住所
六 外国の送出機関(団体監理型技能実習生になろうとする者からの団体監理型技能実習に係る求職の申込みを適切に本邦の監理団体に取り次ぐことができる者として主務省令で定める要件に適合するものをいう。第25条第1項第6号において同じ。)より団体監理型技能実習生になろうとする者からの団体監理型技能実習に係る求職の申込みの取次ぎを受けようとする場合にあっては、その氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
七 その他主務省令で定める事項
3 前項の申請書には、監理事業を行う事業所ごとの監理事業に係る事業計画書、第25条第1項各号に掲げる事項を証する書面その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 前項の事業計画書には、主務省令で定めるところにより、監理事業を行う事業所ごとの実習監理を行う団体監理型実習実施者の見込数、当該団体監理型実習実施者における団体監理型技能実習生の見込数その他監理事業に関する事項を記載しなければならない。
5 主務大臣は、第1項の許可の申請を受けたときは、第2項の申請書及び第3項の書類に係る事実関係につき調査を行うものとする。
6 厚生労働大臣は、第1項の許可をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
7 申請者は、実費を勘案して主務省令で定める額の手数料を納付しなければならない。