広告詐欺「詐欺的な定期購入商法に係る法改正の概要」
【改正事項1】通信販売の申込みに係る最終確認画面等において、
①一定の事項(※)を表示するよう義務付け
②契約の申込みとなることや一定の事項につき、人を誤認させるような表示を禁止
※商品等の分量、対価、支払時期、引渡し時期、契約の解除に関する事項等 ⇒①に違反して表示すべき事項を表示しなかった場合や不実の表示をした場合、②に違反して誤認させるような表示をした場合には、いずれも、行政処分のみならず直罰の対象に
【改正事項2】通信販売において広告をする際に義務付ける表示事項として以下の内容を追加
①申込みの期間に関する定めがある場合は、その旨とその内容
②役務提供契約の解除等に関する事項
【改正事項3】通信販売に係る契約の解除等を妨げるため、当該契約の解除等に関する事項等につき、不実のことを告げる行為を禁止 ⇒違反した場合には、行政処分のみならず直罰の対象に
【改正事項4】「改正事項1」の規定に違反する表示により消費者が誤認して申込みをした場合の取消権を創設
【改正事項5】
「改正事項1」及び「改正事項3」の規定に違反する行為を適格消費者団体の差止請求の対象に追加
【分量】
・定期購入契約の場合には各回ごとの分量及び総分量
・サブスクリプションの場合には,役務の提供期間(設定がある場合は期間内に利用可能な回数)
・該当する場合には,無期限や自動更新である旨
【販売価格・対価】
・定期購入契約の場合には,各回の代金及び消費者が支払うこととなる代金の総額・無償契約から有償契約に自動で移行するような場合には,移行時期と支払うこととなる金額
【支払の時期・方法】・定期購入契約の場合には,各回の代金の支払時期
【引渡時期・提供時期】・定期購入契約の場合には、各回の商品の引渡時期
【申込みの期間】・消費者が商品自体を購入できなくなる期限がある場合には,正しい申込期限
【申込みの撤回、解除に関する事項】
・定期購入契約において,解約時に違約金その他の不利益が生じる場合にはその旨及び内容・とりわけ解約方法や解約受付を特定の手段・時間帯に限定する場合等はその旨
「お試し」と強調している表示から試行的な契約であると認識されるおそれがあるが,実際は定期購入契約となっており,内容が矛盾しているもの
「お試し価格」の表示や通常価格よりも減額された初回代金の表示のみを強調しているにもかかわらず,これらの表示と比較して定期購入契約の主な内容について小さな文字でしか表示していないもの
第11条(通信販売についての広告)
販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件について広告をするときは、主務省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。ただし、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、主務省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。
一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約に係る申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
五 商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(第15条の三第1項ただし書に規定する特約がある場合にはその内容を、第26条第2項の規定の適用がある場合には同項の規定に関する事項を含む。)
六 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
第12条の六(特定申込みを受ける際の表示)
販売業者又は役務提供事業者は、当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が定める様式の書面により顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又は当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手続に従つて顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み(以下「特定申込み」と総称する。)を受ける場合には、当該特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面に、次に掲げる事項を表示しなければならない。
一 当該売買契約に基づいて販売する商品若しくは特定権利又は当該役務提供契約に基づいて提供する役務の分量
二 当該売買契約又は当該役務提供契約に係る第11条第1号から第5号までに掲げる事項
2 販売業者又は役務提供事業者は、特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面において、次に掲げる表示をしてはならない。
一 当該書面の送付又は当該手続に従つた情報の送信が通信販売に係る売買契約又は役務提供契約の申込みとなることにつき、人を誤認させるような表示
二 前項各号に掲げる事項につき、人を誤認させるような表示
第7章 罰則
第70条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第6条、第13条の二、第21条、第34条、第44条、第52条又は第58条の十の規定に違反したとき。
二 第12条の六第1項の規定に違反して、表示をせず、又は不実の表示をしたとき。
三 第8条第1項若しくは第2項、第8条の二第1項若しくは第2項、第15条第1項から第3項まで、第15条の二第1項若しくは第2項、第23条第1項若しくは第2項、第23条の二第1項若しくは第2項、第39条第1項から第5項まで、第39条の二第1項から第4項まで、第47条第1項若しくは第2項、第47条の二第1項若しくは第2項、第57条第1項から第3項まで、第57条の二第1項若しくは第2項、第58条の十三第1項若しくは第2項又は第58条の十三の二第1項若しくは第2項の規定による命令に違反したとき。
第71条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第4条第1項、第5条第1項若しくは第2項、第18条第1項、第19条第1項若しくは第2項、第37条第1項若しくは第2項、第42条第1項から第3項まで、第55条第1項若しくは第2項、第58条の七第1項又は第58条の八第1項若しくは第2項の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項が記載されていない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付したとき。
二 第7条第1項、第14条第1項若しくは第2項、第22条第1項、第38条第1項から第4項まで、第46条第1項、第56条第1項若しくは第2項又は第58条の十二第1項の規定による指示に違反したとき。
三 第66条第1項(同条第6項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは同条第1項の規定による物件を提出せず、若しくは虚偽の物件を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
四 第66条第2項(同条第6項において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは同条第2項の規定による資料を提出せず、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
第72条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、100万円以下の罰金に処する。
一 第12条、第36条、第43条又は第54条の規定に違反して、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしたとき。
二 第12条の三第1項若しくは第2項(第12条の四第2項において準用する場合を含む。)、第12条の四第1項、第36条の三第1項若しくは第2項(第36条の四第2項において準用する場合を含む。)、第36条の四第1項、第54条の三第1項若しくは第2項(第54条の四第2項において準用する場合を含む。)又は第54条の四第1項の規定に違反したとき。
三 第12条の三第3項(第12条の四第2項において読み替えて準用する場合を含む。)、第36条の三第3項(第36条の四第2項において読み替えて準用する場合を含む。)又は第54条の三第3項(第54条の四第2項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に違反して、記録を作成せず、若しくは虚偽の記録を作成し、又は記録を保存しなかつたとき。
四 第12条の六第2項の規定に違反して、同項各号に掲げる表示をしたとき。
五 第13条第1項又は第20条第1項の規定に違反して通知しなかつたとき。
六 第35条又は第53条の規定に違反して表示しなかつたとき。
七 第45条第1項の規定に違反して、同項に定める書類を備え置かず、又はこれに不正の記載をしたとき。
八 第45条第2項の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類の閲覧又は謄本若しくは抄本の交付を拒んだとき。
2 前項第2号の罪を犯した者が、その提供した電子メール広告において、第11条、第12条の三第4項(第12条の四第2項において読み替えて準用する場合を含む。)、第35条、第36条の三第4項(第36条の四第2項において読み替えて準用する場合を含む。)、第53条若しくは第54条の三第4項(第54条の四第2項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に違反して表示しなかつたとき、又は第12条、第36条若しくは第54条の規定に違反して著しく事実に相違する表示をし、若しくは実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしたときは、1年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第73条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、30万円以下の罰金に処する。
一 第28条第2項又は第31条第2項の規定に違反して、その名称又は商号中に訪問販売協会会員又は通信販売協会会員であると誤認されるおそれのある文字を用いたとき。
二 第66条第3項(同条第6項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
三 第66条第4項(同条第6項において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同条第4項の規定による資料を提出せず、若しくは虚偽の資料を提出したとき。
四 第66条第5項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第74条 法人の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第70条第3号 3億円以下の罰金刑
二 第70条第1号及び第2号 1億円以下の罰金刑
三 前三条 各本条の罰金刑
2 人格のない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につきその人格のない社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第75条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の過料に処する。
一 第27条の三第1項、第27条の四第1項、第30条の二第1項又は第30条の三第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第29条の五第2項若しくは第32条の二第2項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は第29条の五第2項若しくは第32条の二第2項の規定による命令に違反した者
第76条 第28条第1項又は第31条第1項の規定に違反して、その名称又は商号中に訪問販売協会又は通信販売協会であると誤認されるおそれのある文字を用いた者は、10万円以下の過料に処する。