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公務員試験・行政書士試験 過去問解説 自治事務と法定受託事務

令和2年行政書士試験出題【地方自治法】

【問題】地方自治法の定める自治事務と法定受託事務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


1 都道府県知事が法律に基づいて行政処分を行う場合、当該法律において、当該処分を都道府県の自治事務とする旨が特に定められているときに限り、当該処分は自治事務となる。

2 都道府県知事が法律に基づいて自治事務とされる行政処分を行う場合、当該法律に定められている処分の要件については、当該都道府県が条例によってこれを変更することができる。

3 普通地方公共団体は、法定受託事務の処理に関して法律またはこれに基づく政令によらなければ、国または都道府県の関与を受けることはないが、自治事務の処理に関しては、法律またはこれに基づく政令によることなく、国または都道府県の関与を受けることがある。

4 自治紛争処理委員は、普通地方公共団体の自治事務に関する紛争を処理するために設けられたものであり、都道府県は、必ず常勤の自治紛争処理委員をおかなければならない。

5 都道府県知事は、市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ明らかに公益を害していると認めるときは、当該市町村に対し、当該自治事務の処理について違反の是正または改善のため必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。


【試験ポイント】✨
解答5
地方自治法の中で「自治事務」と「法定受託事務」は出題率が高いのでポイントである分類の定義を押さえましょう。試験には関係ないですが,よく耳にするのが一般の方相手に「○○から法定受託事務や」などと言われた・・と言って不満をぶちまけに相談に来られます😊

1 ✖ 地方公共団体の事務は,「自治事務」と「法定受託事務」に分類され,「自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいう(地方自治法2条8項)。
【地方自治法2条】
 この法律において「自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいう。
 この法律において「法定受託事務」とは、次に掲げる事務をいう。
 法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであつて、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(以下「第一号法定受託事務」という。)
 法律又はこれに基づく政令により市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、都道府県が本来果たすべき役割に係るものであつて、都道府県においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(以下「第二号法定受託事務」という。)

2 ✖ 法令に違反しない限りにおいて,条例を制定できるのであって変更することはできない。
普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第2条第2項の事務に関し、条例を制定することができる(地方自治法14条)。

3 ✖ 普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない第245条の2(関与の法定主義)。
第245条(関与の意義)
本章において「普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与」とは、普通地方公共団体の事務の処理に関し、国の行政機関(内閣府設置法(平成11年法律第89号)第4条第3項に規定する事務をつかさどる機関たる内閣府、宮内庁、同法第49条第1項若しくは第2項に規定する機関、デジタル庁設置法(令和3年法律第36号)第4条第2項に規定する事務をつかさどる機関たるデジタル庁、国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条第2項に規定する機関、法律の規定に基づき内閣の所轄の下に置かれる機関又はこれらに置かれる機関をいう。以下本章において同じ。)又は都道府県の機関が行う次に掲げる行為(普通地方公共団体がその固有の資格において当該行為の名あて人となるものに限り、国又は都道府県の普通地方公共団体に対する支出金の交付及び返還に係るものを除く。)をいう。
一 普通地方公共団体に対する次に掲げる行為
イ 助言又は勧告
ロ 資料の提出の要求
ハ 是正の要求(普通地方公共団体の事務の処理が法令の規定に違反しているとき又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害しているときに当該普通地方公共団体に対して行われる当該違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことの求めであつて、当該求めを受けた普通地方公共団体がその違反の是正又は改善のため必要な措置を講じなければならないものをいう。)
ニ 同意
ホ 許可、認可又は承認
ヘ 指示
ト 代執行(普通地方公共団体の事務の処理が法令の規定に違反しているとき又は当該普通地方公共団体がその事務の処理を怠つているときに、その是正のための措置を当該普通地方公共団体に代わつて行うことをいう。)
二 普通地方公共団体との協議
三 前2号に掲げる行為のほか、一定の行政目的を実現するため普通地方公共団体に対して具体的かつ個別的に関わる行為(相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的としてされる裁定その他の行為(その双方を名あて人とするものに限る。)及び審査請求その他の不服申立てに対する裁決、決定その他の行為を除く。)
第245条の2(関与の法定主義)
普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない。

4 ✖ 
第251条(自治紛争処理委員)
自治紛争処理委員は、この法律の定めるところにより、普通地方公共団体相互の間又は普通地方公共団体の機関相互の間の紛争の調停、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与のうち都道府県の機関が行うもの(以下この節において「都道府県の関与」という。)に関する審査、第252条の2第1項に規定する連携協約に係る紛争を処理するための方策の提示及び第143条第3項(第180条の5第8項及び第184条第2項において準用する場合を含む。)の審査請求又はこの法律の規定による審査の申立て若しくは審決の申請に係る審理を処理する
2 自治紛争処理委員は、三人とし、事件ごとに、優れた識見を有する者のうちから、総務大臣又は都道府県知事がそれぞれ任命する。この場合においては、総務大臣又は都道府県知事は、あらかじめ当該事件に関係のある事務を担任する各大臣又は都道府県の委員会若しくは委員に協議するものとする。
3 自治紛争処理委員は、非常勤とする。

5 ○
第245条の6(是正の勧告)
次の各号に掲げる都道府県の執行機関は、市町村の当該各号に定める自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該市町村に対し、当該自治事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
一 都道府県知事 市町村長その他の市町村の執行機関(教育委員会及び選挙管理委員会を除く。)の担任する自治事務
二 都道府県教育委員会 市町村教育委員会の担任する自治事務
三 都道府県選挙管理委員会 市町村選挙管理委員会の担任する自治事務